最近よく耳にする「ノンジアミンカラー」という言葉。
アレルギーや敏感肌の方にとって、ジアミンを含まない白髪染めは安心できる選択肢のように感じられます。
しかし現実には、
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ノンジアミンなのにかゆみが出た
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色がすぐに落ちてしまった
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期待したほど染まらなかった
といった声も少なくありません。
その原因は、「ノンジアミンカラーは1種類ではない」という事実にあります。
この記事では、美容師の視点から「ノンジアミンカラーの種類とその違い」「選び方のポイント」「注意すべき落とし穴」まで、詳しく解説します。
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目次
ノンジアミンカラーとは?実は複数のタイプが存在します
「ノンジアミン=ジアミン(パラフェニレンジアミンなど)不使用のヘアカラー剤」という意味ですが、実際には次のような種類に分かれます。
① アルカリ性ノンジアミンカラー(例:トルイレンジアミン配合)
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明るく染まる、しっかり発色する
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髪の内部に色を浸透させるため持続性も高い
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ただし、ジアミンに似た構造を持つ染料が含まれることが多く、「交差アレルギー」のリスクがある
② 塩基性カラー・HC染料カラー
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髪の表面に色がつく構造で、低刺激
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明るさの調整は難しいが、比較的安全性が高い
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白髪はほんのりぼかす程度で、黒髪には色が乗りにくい
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色落ちは早め
③ 酸性染毛料(ヘアマニキュア)
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頭皮に触れないよう塗布するため、肌への負担が少ない
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明るさは出せない
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根元の白髪をしっかりカバーしたい人には不向きな場合も
④ 天然染料(ヘナ・インディゴなど)
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化学成分を避けたい方に人気
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特有の色味(オレンジ・藍色など)があり、仕上がりに好みが分かれる
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市販製品の中には化学染料を含む混合タイプもあるため、成分確認は必須
「ノンジアミンだから安心」ではない理由
ノンジアミンという言葉に安心して飛びついてしまうのは危険です。以下のようなトラブルも発生しています。
よくあるトラブル例
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「ノンジアミン」と書いてあるのに肌がかゆくなった → 他の成分に反応している可能性あり
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白髪が全然染まらなかった → カラー剤のタイプが目的に合っていなかった
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色ムラやチリチリになった → セルフカラーでの塗布ミスや放置時間ミス
特に注意すべきなのが**“交差アレルギー”**です。
ノンジアミンの中にも、ジアミン構造に似た染料が使われている場合があり、それに体が反応してアレルギー症状を起こすケースが報告されています。
ノンジアミンカラー、どう選ぶ?美容師が教える判断のコツ
自分に合ったノンジアミンカラーを選ぶには、「目的」と「体質」をベースに考えることが重要です。
目的別おすすめタイプ
目的 | 向いているカラー剤 |
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白髪をしっかり染めたい | アルカリ性ノンジアミン or 塩基性カラーを併用 |
刺激を抑えたい | 塩基性 or マニキュアタイプ |
自然由来にこだわりたい | 100%天然ヘナ or インディゴ |
明るくしたい | アルカリ性ノンジアミンカラー(ライトナー併用も可) |
また、美容室でのパッチテストや施術前カウンセリングも重要な判断材料になります。
セルフカラーにはリスクもあります
ネット通販などで手に入るノンジアミンカラー剤ですが、セルフカラーはおすすめできません。
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成分表示を見ても正確な判断が難しい
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頭皮に薬剤がついてしまい、刺激のリスク
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塗布ムラや放置時間の誤りで色ムラ・ダメージの原因に
特に**ライトナー(脱色剤)**を使った明るいカラーは要注意です。
ジアミンを含まないとはいえ、強いアルカリ成分が髪と頭皮に作用するため、かゆみ・炎症・髪のゴワつきなどにつながることもあります。
まとめ|“ノンジアミン”の正体を知って、後悔しない選択を
ノンジアミンカラー=安心・安全というのは、半分正解で半分誤解です。
大切なのは、「どのタイプか?」を理解した上で、自分に合う方法を選ぶこと。
そして、できればプロに相談しながら、安全に、納得のいく仕上がりを目指しましょう。
SafeBeauでは、ノンジアミンカラーを6種類以上使い分け、お客様一人ひとりの体質・目的に応じた対応を行っています。気になる方はお気軽にご相談ください。
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