ヘアカラーのカウンセリング中に、
「オーガニックカラーなら安心ですか?」
「ノンジアミンカラーとは何が違うんですか?」
という質問をいただくことがあります。
名前が似ているため混同されやすいこの2つ。
しかし、実際には全くの別物です。
この記事では、美容師の立場から
「オーガニックカラーとノンジアミンカラーの違い」
をわかりやすく解説します。
目次
結論|オーガニックカラーとノンジアミンカラーは“全くの別物”
まず結論からお伝えします。
ノンジアミンカラーとオーガニックカラーは全くの別物です。
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ノンジアミンカラー:ジアミンを含まないカラー剤
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オーガニックカラー:ジアミンを含むカラー剤がほとんど
つまり、ジアミンアレルギーの方が使えるのはノンジアミンカラーのみ。
「オーガニックカラー=安全」とは限らない点に注意が必要です。
オーガニックカラーとは?|“天然由来”に見えて実は一般的なジアミンカラー
「オーガニックカラー」と「ノンジアミンカラーの違い」は、実はこの“成分構成”にあります。
多くの美容室では「地肌に優しい」「植物由来」といった表現でオーガニックカラーを紹介していますが、
その多くはジアミンを含む一般的な酸化染毛剤に分類されます。
つまり、「オーガニック=安全」「オーガニック=ジアミンが入っていない」という認識は誤りです。
あくまでオーガニックカラーは化学的なヘアカラーに植物由来成分を少し加えたものであり、
ジアミンアレルギーの方が安心して使える“ノンジアミンカラー”とは本質的に異なります。
では、なぜ「オーガニック」という言葉がここまで広く使われるようになったのでしょうか?
オーガニック=天然100%ではない理由
「オーガニック」という言葉は響きが良く、
“天然由来”や“肌に優しい”というイメージを持たれがちですが、
実際のところ、成分のほとんどは一般的な化学成分です。
オーガニックカラーとは、
全成分のうち数%でも植物由来成分を配合していれば名乗れる仕組み。
つまり、“オーガニック”の名を冠していても、
ベースはジアミンを含む通常のヘアカラー剤なのです。
色数の多さが“オーガニックではない”証拠
もし本当に天然由来の成分だけで色を出しているなら、
カラーバリエーションは非常に限られるはずです。
自然界の染料は化学染料ほど多くの色味を再現できません。
ところが、オーガニックカラーには
ブラウン、アッシュ、ベージュ、ピンクなど多彩な色があります。
それはつまり、ジアミン染料などの化学染料を使っている証拠です。
オーガニックでノンジアミンなのは「ヘナカラー」だけ
「オーガニックでノンジアミンなカラー剤はありますか?」
そう聞かれることが多いですが、実は両方を満たすものはほとんど存在しません。
多くのオーガニックカラーは、植物成分を含んでいてもジアミンを使用しています。
つまり、アレルギーをお持ちの方にとっては安全ではないのです。
そんな中で、天然100%・ジアミンフリーを両立しているのが「ヘナカラー」。
自然の力で髪を染める、唯一のオーガニック&ノンジアミンカラーです。
次で、そのヘナがなぜ“唯一”と言えるのかを解説していきます。
唯一100%天然のノンジアミンカラーがヘナ
天然100%で構成され、
オーガニックかつノンジアミンの条件を満たす唯一のカラー剤がヘナカラーです。
ヘナは植物(ヘンナの葉)を粉末にして染める方法で、
髪や頭皮への負担が非常に少なく、アレルギーの方でも使用できます。
ただし、以下のような制限があります。
ヘナにもある“天然ならではの制約”
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色のバリエーションが少ない
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2回染めが必要な場合がある
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髪質によってはゴワつきが出ることも
つまり、安全性は高いが万能ではないという点を理解して選ぶことが大切です。

「オーガニックカラー=ダメージレス」は誤解|明るく染まるカラーは必ず痛む
「オーガニックカラーだから傷まない」
――このフレーズもよく聞きますが、これは誤解です。
ヘアカラーによるダメージの正体は、
**髪を明るくするための脱色(ブリーチ反応)**にあります。
この脱色には過酸化水素水やアルカリ剤が必要であり、
オーガニックカラーにも普通に含まれています。
つまり、ジアミンが含まれていようといまいと、
明るく染まるカラー剤は髪を傷めると考えてください。
天然成分を少し混ぜてあっても、髪へのダメージは避けられません。
アレルギーがある方は「ジアミンの有無」で選ぶのが鉄則
ジアミンアレルギーの方が確認すべきポイントはひとつ。
「ジアミンが入っているかどうか」これだけです。
オーガニックかどうかは関係ありません。
「ジアミン少なめ」や「刺激が弱い」という表記でも、
含まれていればアレルギー反応を起こす可能性があります。
少量でもダメ。
「ある」か「ないか」で判断してください。
まとめ|オーガニックよりも「ジアミンフリー」を選ぶ時代へ
| 比較項目 | ノンジアミンカラー | オーガニックカラー |
|---|---|---|
| ジアミンの有無 | 含まない | 含む(ことが多い) |
| アレルギー対応 | ◎可能 | ×不可 |
| ダメージ | 明るくするタイプはあり | 通常カラーと同等 |
| 色の幅 | やや制限あり | 非常に豊富 |
| 天然成分の割合 | 製品による | 数%でも可 |
結論:アレルギー対応で選ぶなら「ノンジアミンカラー」。
環境や質感で選ぶなら「オーガニックカラー」も一案。
ただし、どちらにもメリット・デメリットがあるため、
目的に合わせて正しく使い分けることが大切です。
