ヘアカラーでかぶれや赤みを経験したことがある方にとって、
「ノンジアミンカラー」「カラートリートメント」という言葉は特に気になる存在だと思います。
実際に「カラートリートメントってノンジアミンなの?」「ジアミンアレルギーでも使える?」という質問を多くいただきます。
https://watanabe-yusuke-home.com/blog/2025/07/27/jiamin-allergy-hives/
この記事では、美容師の立場から“ノンジアミンカラーのトリートメントタイプ”について、仕組み・特徴・選び方を詳しく解説します。
目次
ノンジアミンカラーとは?
まず、ノンジアミンカラーとはパラフェニレンジアミン(PPD)などの酸化染料を一切使用していないカラーのことを指します。
一般的な白髪染めやファッションカラーには「酸化染料(ジアミン系)」が含まれており、
この成分がアレルギー反応の原因となることがあります。
一度でもアレルギー症状を起こした方は、その後ジアミンを含む製品に触れることで再発・悪化するリスクがあります。
ジアミンアレルギーが起こる仕組み
ジアミンは分子が小さく皮膚から吸収されやすいため、免疫細胞に「異物」と認識されると炎症を起こします。
軽度ならかゆみや赤みで済みますが、重度になるとまぶたや顔の腫れ、呼吸困難など全身症状を伴うこともあります。
ノンジアミンと表示される条件
「ノンジアミン」と表記される製品は、酸化染料を一切含まないことが条件です。
ただし、「ジアミンが入っていない=完全に安全」というわけではなく、他の染料成分でアレルギーを起こすケースもあります。
カラートリートメントはノンジアミンカラーなの?
多くの市販カラートリートメントは、ジアミンを含まないため“ノンジアミンカラー”に分類されます。
染料には「塩基性染料」や「HC染料」と呼ばれるタイプが使われ、髪の表面や浅い部分に色を付ける仕組みです。
ジアミンは入っていないが、リスク“ゼロ”ではない理由
ジアミンほど強い刺激性はありませんが、塩基性・HC染料も体質によってはかゆみ・赤みを起こすことがあります。
特に、頭皮にベッタリ塗るタイプや、放置時間を長く取りすぎる使い方には注意が必要です。
トリートメントカラーとノンジアミンカラーの違い
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トリートメントカラー:髪に色を乗せるのみで黒い髪の毛を明るくすることはできない
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ノンジアミンアルカリカラー:髪を明るく染めながら白い髪の毛を染める
つまり、カラートリートメントは「ノンジアミンカラーの一種」ではありますが、“持ち”や“発色”はサロン施術よりも控えめです。
ノンジアミンカラーのトリートメントタイプとは?
ノンジアミンカラーの中でも「トリートメントタイプ」は、髪をケアしながら色味を補うことを目的としたタイプです。
髪を傷めずに染める“酸性カラー系”
アルカリや過酸化水素を使わないため、キューティクルを開かずに染まります。
髪や頭皮への刺激が少なく、ブリーチ後の退色ケアや白髪のぼかしに最適です。
白髪染めにも使えるカラートリートメントの特徴
白髪部分だけに色が入りやすく、全体を暗くせず自然に仕上がるのが特徴です。
サロン専用のノンジアミン系カラートリートメントは、植物由来成分や補修成分を組み合わせることで、ツヤと色持ちの両立が可能になっています。
カラーシャンプー・カラーバームとの違い
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カラーシャンプー:毎日の洗髪で少しずつ色を補う
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カラーバーム/マスク:集中ケア+色補正
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カラートリートメント:染料+補修効果を両立(放置時間あり)
目的に応じて使い分けるのが理想です。
ノンジアミンカラーの種類と選び方
ノンジアミンカラーといっても、実は複数のカテゴリーがあります。
① トリートメントタイプ(自宅ケア向け)
塩基性染料・HC染料で染めるタイプ。
週1〜2回の使用で退色を抑え、手軽に色味を整えたい方におすすめ。
② サロン施術タイプ(アルカリカラー)
通常のヘアカラー剤の仕上がりに近いタイプ。
髪を明るくしながら白い髪を染められるので自由度が高い。
その反面、刺激性があるものも多いので取り扱いには注意が必要。
③ 天然タイプ(ヘナ・インディゴ)
植物由来の粉末で染めるタイプ。
ノンジアミンでありながら色持ちも良いが、色味の選択肢や仕上がりの質感に制限がある。
美容師のおすすめ選び方
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アレルギー対策を最優先にしたい人:ノンジアミンカラー
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ツヤと手触りを重視したい人:カラートリートメント
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日常のメンテナンス重視:カラーシャンプー・カラートリートメント
ジアミンアレルギーの方が注意すべきポイント
「ノンジアミン=絶対に安全」というわけではありません。
どんな染料でも体質によってはアレルギー反応を起こす可能性があります。
パッチテストは必ず行う
初めて使う製品は、腕の内側などで24〜48時間のパッチテストを実施しましょう。
頭皮につけない施術が有効
ノンジアミンカラーでも、頭皮に直接塗布すると炎症を起こすケースがあります。
“ゼロテク塗布”など、頭皮に付けない技術を取り入れるのが安全です。
成分表の「HC」「塩基性染料」も確認
製品に「パラフェニレンジアミン」などの表記がないか確認し、代わりに使われている染料名にも注意しましょう。
まとめ|アレルギーと美髪を両立するなら「ノンジアミン×トリートメントタイプ」
ジアミンアレルギーがあっても、
「染めることをあきらめなくていい」時代になりました。
ノンジアミンカラーのトリートメントタイプは、
髪をケアしながら色を楽しめる“安全性と美しさの両立”ができる選択肢です。
ただし、商品によって染料成分や使い方は異なります。
安心して続けるためにも、必ず専門美容師に相談し、自分の肌と髪に合った方法を選ぶことをおすすめします。
