最近ではカラー剤に含まれる“ジアミン”が原因でアレルギーを引き起こす事例が増えてきております。
通常であれば、ジアミンアレルギーを発症してしまった場合はジアミンを含むカラー施術を行うことはできません。
そんな方でも唯一使用できる薬剤がジアミンを含まない“ノンジアミンカラー”になります。
このような症状に悩む方の役に立つべく、早い段階からノンジアミンカラーの研究やジアミンアレルギーの発症リスクを下げる予防学について学んできました。
ジアミンアレルギーの方や従来のカラー施術に疑問を抱いている方はお気軽にご相談ください。
目次
ジアミンアレルギーを発症しノンジアミンカラーに切り替えたのですがかぶれてしまいました
1年以上前に美容室でカラーリングを行なった際にジアミンアレルギーを発症されたお客様からご相談をいただきました。
発症後は別の美容室でノンジアミンカラーに切り替えて難なく施術を行なっていたそうです。
しかし、2、3回ノンジアミンカラーでの施術を繰り返していたある時のことです。
施術後に赤い発疹やかぶれなどのジアミンアレルギーの症状が現れたそうです。
ノンジアミンカラーを使用したはずなのに、症状が現れる!?
それ以降カラーを行うことが怖くなり、しばらく期間が空いてしまったそうです。
なぜノンジアミンカラーでかぶれてしまったのか?
理由はいくつかのものが考えられます。
- 器具やタオル、クロスにジアミンが付着していた
- ジアミン入りの薬剤を誤って使用した
- 頭皮が超敏感な時期だった
しかし、そこのお店ではジアミンカラーとの背術を全て分けて管理していると説明を受けていたそうなので可能性としては低いと考えます。
だとすると、本当にノンジアミンカラーが原因でかぶれたのかもしれません。
ノンジアミンカラーでかぶれる可能性
ノンジアミンカラーと聞けば、なんとなく安心、安全!とイメージを持たれがちですが、そうではありません。
薬剤の種類によっては刺激を感じる可能性のあるものや今回のようにかぶれるものもあります。
ですので、どのような症状の方に対してどのような薬剤でそれていくかと言う判断非常に重要です。
今回のお客様の場合はアレルギー物質に敏感で『酸化染料』に反応が出ている可能性が大きくあります。
酸化染料とは酸化する染料のことで、一般的にジアミンを含むカラー剤に使われていることの多い成分です。
ごく一部でジアミン含まないノンジアミンタイプのものもあります。
ノンジアミン酸化染料はわかりやすく言えば、限りなくジアミンに近いジアミンではない成分です。
今回のお客様のケースで言えば、このことが原因でかぶれたのではないかな?と予想しました。
原因の予想ができたところで施術の方法を考えていきます。
かぶれた経験のある方へのノンジアミンカラーでの対応
根元は6cm前後伸びています。
さすがに毛先の退色も目立ってきました。
ごく数本ですが、点在してみられる白髪も気にされています。
お客様のご要望
まず、一番気になる点は根元の黒い部分と言うことです。
しばらく染めてなかった影響でかなり目立ってしまっています。
根元と毛先の色を合わせながら、毛先部分は暗くならない程度にしていきたい。
あとは可能であれば白髪も染まると嬉しいです。。。
ノンジアミンカラーでかぶれるリスクを抑えたアプローチ方法
通常であれば、ノンジアミンタイプの酸化染料をベースに薬剤を設定し、1度で染めていくケースを選択します。
しかし、今回の場合は酸化染料を使うことができません。
そこで今回はカラーの工程を2回に分けて染めていこうと思います
1回目で明るくすることのみを行い2回目で白髪のを染める工程と毛先に色を入れることのみを行います。
1回目のカラー
まずは明るくすることのできるノンジアミンカラーで根元を染めていきます。
こちらの工程では刺激が出る可能性があるので、保護オイルと頭皮に直接つかない塗り方で頭皮ケアもしっかりと行なっていきます。
黒い部分を中心に薬剤を塗っていきます。
根元部分と毛先部分が同じ明るさになったところで一度シャンプーをします。
2回目のカラー
今度は髪に色をつけて行く工程です。
根元は白髪も染まるように濃い色を選択し、毛先は暗く染まりすぎないようにバランスを調節して薬剤を決めていきます。
染まりの定着を良くするために温めて25分間しっかりと時間を置いていきます。
時間が経過した後で染まったことを確認し、シャンプーを行なっていきます。
ノンジアミンカラー後の仕上がり
シャンプー後はカットで長さも整えて、仕上げていきます!
伸びていた髪もすっきりと仕上がりましたね。
1番気にされていた、根元と毛先の色の差もしっかりと繋がりましたね。
もちろん、点在していた白髪部分にもしっかりと色が入ってくれています。
染める前は不安いっぱいでご来店されていましたが、施術を終える頃には満足されていました。
症状は時間が経ってから現れることが多かったと言うことで、翌日に確認をしましたが特に異常はなかったようです。
これでいつでもヘアカラーを楽しめますね株
ノンジアミンカラーでもかぶれる危険は0ではない
ジアミンアレルギーの方にはノンジアミンカラーで染めておけばOKと言う考え方は非常に危険です。
ノンジアミンカラーは安全で誰にでも染められると言うわけではありません。
今回のお客様のようにかぶれなどの症状が出ることもあります。
どの成分に反応を起こしていて、何が原因なのかを把握した上で慎重に判断しなけれないけません。
僕の場合はノンジアミンカラーをだけでも4種類のものを完備しています。
その中で、お客様の症状や仕上がりイメージに合わせて使い分けています。