そう打ち明けてくださるお客様の多くが、次にこうおっしゃいます。
「もし隣の席の人がヘアカラーしてたら、空気中に成分が飛んで、自分にもアレルギー症状が出てしまうんじゃないか…って心配なんです」
ヘアカラーでアレルギー反応を起こした経験がある方にとって、これはとても現実的で切実な不安だと思います。
実際に、「自分は染めていないのに、空気中に漂った薬剤のせいで症状が出たらどうしよう」そんな思いで、美容室に行くことすら怖くなってしまう方もいらっしゃいます。
では本当に、空気中の成分でアレルギー反応が起きるのでしょうか?
この記事では、美容師の視点から「ジアミンアレルギーと空気の関係」について、わかりやすく、そしてやさしく解説します。
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ジアミンアレルギーについて症状や原因、治療法をまとめた保存版ガイドはこちらをご覧ください。
👉 ジアミンアレルギー完全ガイド
目次
空気中にジアミンがあっても反応は起こらない──それが基本です
まず結論からお伝えすると、
ジアミンアレルギーとは、主にパラフェニレンジアミン(PPD)などの化学染料が皮膚に触れることで起きる、いわば「接触性アレルギー」です。
たとえば、カラー剤が頭皮に付着したり、生え際に残ったりすることで、
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赤み
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かゆみ
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腫れ
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水ぶくれ
などの症状が現れます。
つまり、「自分の体にジアミンが触れない限りは、アレルギー反応は基本的に起こらない」というのが医学的な前提になります。
ですので、他のお客様が隣でジアミン入りのカラーをしていても、基本的には大丈夫。
これを聞いて、少し安心できましたか?
でも実は、“アレルギー”ではない形で、不快な体調不良を感じるケースもあるんです。
揮発した薬剤に反応して「なんとなく気分が悪くなる」ことはあります
「隣のカラー剤のニオイで、のどがイガイガした」
「ちょっと頭が痛くなった気がする」
「鼻の奥がつんとした」
そんな経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか?
これらは、**ジアミンではなく、カラー剤に含まれる他の成分が揮発し、それを吸い込んで起こる“刺激性の不快症状”**です。
代表的なのは、
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過酸化水素水(ブリーチや2剤に使用)
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アルカリ剤(アンモニアなど)
また、ヘアカラーに限らず、パーマや縮毛矯正でも揮発成分が強く、空気中に広がることで不調を感じる方もいらっしゃいます。
アレルギーではないものの、これが続くと「美容室=つらい場所」になってしまうことも。
では、どう対策すればいい?
美容室での対策としては、以下が有効です。
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窓が開けられる施術スペースを選ぶ
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予約時に「薬剤に敏感」と伝えておく
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マスクを着用する
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換気がしっかりされているサロンを選ぶ
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場合によっては貸切予約を検討する
「美容室なんて薬剤のニオイがして当然」と思われがちですが、最近はアレルギーや化学物質に敏感な方も増えていて、薬剤を使用しない空間づくりにこだわるサロンも増えています。
空気より怖いのは“共用のクロスやタオル”
実は、空気中のジアミンよりも**もっと気をつけたいのが「接触による間接的なアレルギー反応」**です。
たとえば──
・前のお客様に使ったクロスにジアミンカラーの成分が残っていて、
・そのクロスをそのまま自分の首に巻かれてしまったら…
肌に触れた部分に赤みが出たり、かゆみが起きたりすることもあります。
美容室では、タオルやケープ、シャンプー用クロスなど、多くの道具を使いまわしています。
その中でごく微量でもジアミンが残っていると、肌の弱い方はすぐに反応が出てしまうんです。
安心して施術を受けるためにできること
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「ジアミンアレルギーがある」と事前にしっかり伝える
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ノンジアミンカラーを選ぶ
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器具を都度交換・洗濯している美容室を選ぶ
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肌に触れるものを持参できるなら、自分用クロスを使うのも◎
アレルギー対応に慣れている美容室なら、事前に伝えるだけで個別の配慮をしてくれますよ。
最後に|“不安なく、美容室に通える未来”のために
ジアミンアレルギーを抱えながら、美容室に通うのは決して簡単なことではありません。
でも、正しい知識と、事前のひと声があれば、不安はぐっと減らせます。
繰り返しますが、
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空気中のジアミンでアレルギーが起こることは基本的にありません。
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でも、揮発成分や接触には少し注意が必要。
アレルギーだからと言って、おしゃれを諦めなくていいんです。
一人で不安を抱えず、信頼できる美容師に相談してみてくださいね。
あなたが安心して美容室に通えるように、私たちも全力でサポートしていきます。
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