本日は白髪染めにおいてもっとも基本的な技術。『リタッチカラー』についてまとめていきます。
知れば知るほど奥が深い、最も簡単で最も難しい重要なリタッチについて熱く語ります。
目次
リタッチカラーとは?
リタッチカラーとは根元のみを染めることを指します。
ヘアカラーを行う上でもっとも基本的な技術で多くの美容師は一番最初に習得するものです。
言い換えれば一番簡単な技術とも言えます。
しかし、僕はこのリタッチカラーこそヘアカラー(特に白髪染め)を行う上でもっとも重要な技術だと捉えています。
リタッチカラーがヘアカラーの上手い下手を決める
リタッチカラーをいかにうまく行うかでヘアカラーのクオリティーは左右されます。
特に白髪染めの施術では的確なリタッチ技術が求められます。
毎回、染まっている部分まで余計に塗ってしまうと毛先が暗くなりすぎるなどの問題が生じます。
また毛先部分に負担もかかるため、ダメージも発生してしまいます。
ジアミンアレルギーのリスクはリタッチ技術に左右される
ジアミンアレルギーのリスクを抑えるためには、カラー剤を頭皮につけないように塗布していくことが必要です。
しかし、根元をあけすぎては染らなくなってしまいます。
そのため、いかに根元ギリギリから頭皮につけないように塗っていくかの技術力が求められます。
選べるリタッチカラーの方法
塗り方にしてもハケで塗る場合とクシで塗る場合があり、お客様が選択できるようにしています。
ハケではしっかりと塗れるけど頭皮には多少つくこともあるのに対し、クシでは仕上がりはやや劣るものの頭皮に一切つかないように塗ることができます。
お客様の価値観に合わせて何を優先するかで最適を選択できるようにしています。
リタッチカラーで白髪染めの施術実例
ここまで解説してきたように、僕の行うリタッチカラーはかなりこだわりを持っております。
そんなリタッチ技術を楽しみに本日もお客様がご来店されたので紹介していきます。
いつもカットをさせているお客様です。
今回がカラーをさせていただくのは初めてになります。
前回のカラーからは3ヶ月ほどが経過しているそうです。
根元部分の白髪が目立ってきました。
今回はこちらをしっかりと染めていきます。
お客様のお悩み
実は今回のお客様は白髪染めを行う上で、あるお悩みを抱かれております。
それは薄毛のなるのではないか?髪が弱るのではないか?ということです。
ヘアカラーを長い間続けている方は少なからず実感があるのではないでしょうか。
結論から言えば関係は大いにあります。
ヘアカラーに含まれる明るくする成分は頭皮を酸化させる作用があります。
酸化=機能が低下すると捉えてください。
即効性があるわけではないですが、長い期間繰り返すことで頭皮の機能は低下していき異常は起こっていきます。
本当の意味での改善はヘアカラーをやめるか、ヘナなどに切り替えるという選択になりますが、全員が実行することはできません。
そこで重要なのが染め方です。
・ヘアカラー前の頭皮の保護
・的確なリタッチ技術
・ヘアカラー後の薬剤を残さないケア
これらを毎回徹底することが頭皮機能低下を緩和させる有効な手段になります。
リタッチカラーで白髪染めの施術方法
今回はハケを使って根元の極めてギリギリから染めていきます。
塗り終わった状態ではこのように頭皮が見えていることが僕の中の基本です。
白髪に悩む方はこれでは染らないのではないですか?と聞かれることもありますが、ヘアカラー剤は髪の中で浸透していくのでこれでもしっかりと染まります。
浸透も考え、どれくらいまで塗っていけば根元は染まるのかを計算して塗っています。
リタッチカラーでの白髪染め後の仕上がり
今回はカットはしておりません。
根元が染まるだけでここまで若々しくなっていきます。
最後の写真が少しブレてしまいました。
白髪の部分も根元から綺麗に染まってくれていることがわかります。
根元からべったりと塗らなくてもここまで染まるんですよね。
お客様にもそういった細かい配慮を説明して、ヘアカラーというものに向き合ってもらうようにしています。
リタッチカラーとは奥深い技術
もっとも基本的な技術ですが、こだわればこだわるほど突き詰めることができます。
そして、リタッチの技術を高めることでクオリティーだけでなく頭皮への負担を軽減することができます。
最近では格安のリタッチ専門店なども増えてきていますが、そういったお店の技術には疑問が残ります。
ただ染まればいい。塗れればいい。そのようなやり方では長くヘアカラーを続けることができなくなります。
適切なヘアカラーの施術を積み重ねて、見た目のクオリティーはもちろん頭皮も健康に保ち、50年60年と続けていけるヘアカラーを行なっていきましょう。
その重要な役割を担っているのがリタッチカラーであり、ヘアカラーの本当の技術の差はリタッチ技術に現れるのだと思っています。