「夏だけ日焼け止めを使っている」「日差しが強いときだけ帽子をかぶる」
そんな紫外線対策、髪や頭皮にはじつは不十分かもしれません。
毎年夏の終わりに、こんなお悩みを耳にします。
-
「髪がバサバサになってまとまらない」
-
「カラーがすぐに抜けてキンキンになってしまった」
-
「頭皮がかゆくて、乾燥している気がする…」
このようなトラブル、実は**紫外線による“髪と頭皮のエイジングダメージ”**が大きな原因になっていることをご存知でしょうか?
紫外線の影響は肌だけではありません。
髪のツヤ、カラーの色持ち、頭皮の健康、そして将来の抜け毛や薄毛リスクにも関わってくる重要な問題です。
しかも紫外線は「真夏」だけでなく、5月から9月にかけてピークを迎えるため、春先からの対策が欠かせません。
うっかり油断していると、夏が終わる頃には取り返しのつかないダメージになっていることも。
この記事では、
✔ 髪への紫外線ダメージを防ぐ方法
✔ 頭皮の老化やかゆみを予防する紫外線対策
✔ 紫外線を浴びてしまった後に行うべきアフターケア
といった3つの柱に分けて、美容師目線で「今日からできる紫外線対策」を丁寧に解説していきます。
これから紫外線量が増える時期に向けて、しっかり備えていきましょう。
\動画でも解説をしております/
目次
髪への紫外線対策|パサつき・色落ちを防ぐために今すべきこと
「夏の終わりになると、髪がバサバサ…」
「カラーしたばかりなのに、すぐキンキンに色落ちしてしまう…」
こんな経験はありませんか?
これらはすべて髪の紫外線ダメージが関係しています。
紫外線は肌だけでなく、髪の毛にも強い影響を与えます。
特に5月〜9月は紫外線量がピークを迎えるため、髪の表面にあるキューティクルがダメージを受けやすくなるのです。
紫外線が髪に与えるダメージとは?
髪の表面には「キューティクル」といううろこ状の層があり、髪内部の水分や栄養を守る役割をしています。
ところが、紫外線を長時間浴び続けると、このキューティクルが傷つき、はがれ落ちてしまいます。
すると、髪の内部から水分や栄養が流出しやすくなり、
-
パサつき
-
ゴワつき
-
枝毛
-
カラーの退色(色落ち)
といったトラブルが一気に加速してしまうのです。
さらに、紫外線によってメラニン色素が分解されることで、カラー後の髪は色が抜けやすくなる傾向もあります。
髪の紫外線対策|今日からできる3つの方法
では、どうすれば紫外線から髪を守れるのでしょうか?
ポイントは以下の3つです。
① 物理的な紫外線カット
まずは「髪に直接紫外線を当てない」ことが基本です。
外出時には帽子や日傘を活用しましょう。
特に、長時間屋外にいる日やレジャーの際はマストです。
ロングヘアの方は、お団子やまとめ髪にしておくと、髪表面の露出を減らすことができて◎。
② UVカット効果のあるスタイリング剤を活用
最近では、UVカット成分配合のヘアオイルやスプレーも数多く登場しています。
朝のスタイリング時に、髪全体に薄くなじませておくことで、外出中も紫外線から髪をガードできます。
ポイントは「髪の中間から毛先」にかけてしっかり塗ること。
顔まわりやトップはダメージを受けやすいので、念入りにケアしてあげましょう。
③ 洗いすぎない+補修ケアを取り入れる
夏場は汗や皮脂で気になることも多いですが、髪の洗いすぎはNGです。
シャンプー後は必ず保湿力の高いトリートメントやアウトバストリートメントで、水分と栄養を補ってあげましょう。
また、週に1〜2回の集中ケアマスクや、サロンでのトリートメントを取り入れるのもおすすめです。
紫外線ダメージは、毎日の小さな積み重ねで大きな差になります。
「帽子をかぶるだけ」「朝のオイルを変えるだけ」など、できることから少しずつ取り入れるだけでも、夏の終わりの髪の状態がガラッと変わりますよ。
頭皮への紫外線対策|見落とされがちな“老化の引き金”に注意!
髪の紫外線対策は意識していても、
「頭皮に紫外線対策って必要なの?」と思ったことはありませんか?
実はこの“見落とし”が、将来的な髪トラブルの大きな原因になることがあります。
頭皮は顔よりも紫外線を浴びやすい
頭皮は、顔と同じ「皮膚」でできています。
しかも、髪の分け目や生え際などは常に露出していて、紫外線の直撃を受けやすい場所。
紫外線量が多くなる季節に、こんな症状を感じたことがあれば要注意です。
-
頭皮がヒリヒリする
-
分け目が赤くなる
-
フケのような乾燥が気になる
-
かゆみが出てきた
これらはすべて、紫外線による頭皮ダメージが引き起こしている可能性があります。
頭皮が紫外線を浴びると何が起きる?
紫外線を浴びた頭皮では、以下のような老化現象が進みます。
-
コラーゲンの減少によるハリ・弾力の低下
-
乾燥によるバリア機能の低下
-
毛根へのダメージによる髪の細毛化や抜け毛
とくに紫外線によって「毛母細胞」が弱ると、髪のハリ・コシ・ボリューム感が失われやすくなります。
将来的な薄毛や頭皮トラブルを避けるためにも、早めの対策がとても大切です。
頭皮の紫外線対策|今日からできる3つのポイント
① 分け目を固定しない
毎日同じ分け目にしていると、その部分ばかりが紫外線を浴びてダメージが蓄積されます。
数日ごとに分け目を変えたり、ノーパート(分け目なし)のスタイルを取り入れたりして、頭皮全体にかかる紫外線の負担を分散させましょう。
② 帽子・日傘を活用する
物理的に紫外線を遮ることは、やはり効果的です。
通気性の良い帽子やUVカット機能付きのキャップなどを取り入れて、直接紫外線が頭皮に届かないように保護しましょう。
特に日中の外出やスポーツをされる方は必須です。
③ UVカットスプレーの使い方に注意
髪用のUVスプレーは、頭皮にも使えるタイプが増えています。
ですが、スプレーを直接地肌に大量にふりかけると、毛穴の詰まりやベタつきの原因にも。
おすすめは「空間にスプレーして髪の上からふんわりかける」方法や、手に取って分け目や生え際だけにやさしくなじませるスタイルです。
スプレーの後は、夜にしっかり洗い流すことも忘れずに。
頭皮の紫外線対策は、美しい髪を育てる“土台作り”です。
顔や腕はしっかり日焼け止めを塗っているのに、頭皮だけノーケア…ではもったいないですよね。
少し意識を向けるだけで、将来の髪のボリュームやツヤに大きな違いが出ます。
ぜひ、今日から「頭皮ケア」も紫外線対策のルーティンに取り入れてみてください。
紫外線を受けた後のアフターケア|“その日のうち”がカギ!
いくら紫外線対策をしていても、完全に日差しを避けるのは難しいですよね。
外に出れば多少は浴びてしまうもの。だからこそ大切なのが、「紫外線を浴びた後」のアフターケアです。
このケアをするかしないかで、夏の終わりの髪と頭皮の状態に大きな差が生まれます。
紫外線を浴びた後、髪と頭皮に何が起きている?
紫外線を浴びた髪や頭皮は、軽いやけどに近い状態になっていることがあります。
髪は乾燥して水分が失われ、頭皮も炎症や乾燥を起こしやすくなっているのです。
この状態を放置すると、以下のようなトラブルにつながります。
-
髪のパサつき・枝毛・ゴワつきの悪化
-
カラーの退色加速
-
頭皮のかゆみ・フケ・皮脂バランスの乱れ
-
毛穴詰まりからくる抜け毛の増加
大切なのは、ダメージを受けたその日のうちにリセットすること。
早めのケアが、トラブルの進行を防ぎます。
紫外線後のアフターケア|美容師がすすめる5つの習慣
① 優しく洗って、汚れをリセット
汗や皮脂、紫外線で酸化したスタイリング剤などを放置すると、髪と頭皮に負担がかかります。
ゴシゴシ洗わず、泡立てて包み込むように洗うのがポイント。
地肌をマッサージするように洗うと血行促進にもつながります。
② 髪には“水分補給”トリートメントを
紫外線を浴びた髪は、まるで砂漠状態。
保湿重視のインバストリートメント(お風呂で使うトリートメント)や、洗い流さないアウトバストリートメントでしっかり潤いを与えましょう。
毛先は特にダメージが集中しやすいので、重点的にケアを。
③ 頭皮にも保湿を忘れずに
頭皮用のスカルプローションや美容液も活用しましょう。
乾燥や炎症を防ぐだけでなく、皮脂バランスを整えてくれる効果も。
紫外線を浴びた日の夜は、冷やしタオルで頭皮を軽くクールダウンするのもおすすめです。
④ 週1回の集中ケアで“ダメージ貯金”をリセット
週に一度は、スペシャルトリートメントやサロンでのヘッドスパを取り入れると◎。
紫外線で詰まった毛穴のクレンジングや、髪の深部補修ができ、秋の抜け毛シーズンに備えることができます。
⑤ ダメージ毛先は潔くカットするのも手
特に毛先のダメージがひどい場合は、早めにカットするのも重要な選択です。
ダメージ部分を放っておくと、上へと広がってしまうため、**“ダメージの切り離し”**は長期的なケアの一環と考えましょう。
紫外線は「浴びない工夫」+「受けたあとの回復ケア」のセットが大切。
夏が終わる頃に「今年は髪が元気だったな」と感じるためには、その日のうちのケア習慣が未来の髪の美しさを左右します。
紫外線ダメージが気になり始めたら、ぜひ今回の内容を思い出してケアしてみてくださいね。
まとめ|紫外線対策で髪と頭皮の未来は変わる
この記事では、春〜秋にかけて必要な髪と頭皮の紫外線対策について、美容師の立場からお伝えしてきました。
もう一度、今回の内容を簡単にふり返ってみましょう。
✅ 髪の紫外線対策
-
紫外線はキューティクルを傷つけ、パサつき・色落ちの原因に。
-
帽子や日傘、UVカットオイルやスプレーを使って、物理的+化粧品でダブルブロック。
-
保湿重視のトリートメントで内側からの補修も忘れずに。
✅ 頭皮の紫外線対策
-
分け目や生え際は紫外線の影響を受けやすく、将来的な薄毛のリスクにも。
-
分け目を変える、帽子を活用する、UVスプレーは使い方に注意。
-
頭皮も“顔の一部”と考えて、日頃から意識的に守ることが大切。
✅ 紫外線を受けたあとのアフターケア
-
紫外線ダメージはその日のうちにリセットするのが理想。
-
優しく洗って、保湿系トリートメントで潤いを補給。
-
頭皮用の化粧水やスパで炎症・毛穴詰まりをケアし、秋の抜け毛予防に。
紫外線対策は、今から始めるかどうかで夏の終わりの髪のコンディションに大きな差が出ます。
そしてその習慣が、1年後、5年後、10年後の「髪の美しさ」や「髪の量」にもつながっていくのです。
髪も頭皮も、“今この瞬間”から未来に向かって育ち続ける大切なパーツ。
「もっと早く知っておけばよかった…」と後悔しないためにも、今日から少しずつ紫外線ケアを始めてみてくださいね。
\動画でも解説をしております/