ある日突然、お子さんから「髪、染めてみたい」と言われたら──あなたはどう答えますか?
SNSやYouTubeの影響もあり、小学生〜中学生のあいだでヘアカラーに興味を持つ子どもたちが増えています。明るい髪色やインナーカラー、推しカラーなど「やってみたい!」という気持ちには、時代の空気も感じます。
ですがその一方で、頭皮や体がまだ成長途中の子どもにとって、ヘアカラーは決して“軽いおしゃれ”では済まない行為でもあります。
今回は、親としてどう考えるべきか、美容師の立場からわかりやすく解説します。
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目次
何歳からヘアカラーはOK?医学的・業界的な目安
結論から言えば、皮膚科医や美容業界では、少なくとも16歳以上(高校生以降)を目安とする意見が一般的です。
理由は以下の通り:
- 思春期後半になり、頭皮のバリア機能が安定してくる
- トラブルが起きた際に、自分で違和感を申告できるようになる
- パッチテストの意味や重要性を理解できる年齢になる
特に小学生〜中学生のあいだは、皮膚が薄く、皮脂膜が未発達で、化学成分の影響を強く受けるリスクが高いのです。
「一度だけなら大丈夫」では済まないのが、ヘアカラーの怖さ。アレルギーはある日突然、一生モノとして発症することもあるため、慎重すぎるくらいがちょうど良いのです。
子どもが染めたがったとき、親が考えるべき3つの視点
子どもから「染めたい」と言われたとき、戸惑う親御さんは多いはずです。ここでは、そうした場面で落ち着いて判断するために、押さえておきたい3つの視点をご紹介します。
① 健康面のリスク
先ほど述べたように、ジアミンアレルギーや頭皮トラブルのリスクは年齢が低いほど高まります。
カラー剤の中には、頭皮の炎症や湿疹を引き起こす成分もあり、一度アレルギーを起こすと二度と染められない体質になる可能性も。
② 心のケアと自尊心の育成
「みんなやってる」「私だけダメなの?」──このセリフにどう向き合うかは、親として大きなテーマです。
一律に否定するより、「肌に合う人と合わない人がいるんだよ」「将来きれいな髪でいられるように今は守ろうね」と、理由を添えて断ることが大切です。
③ 代替手段の提案
ヘアチョーク、カラースプレー、カラーエクステなど、肌に触れない“色遊び”のアイテムも多数存在します。
子どもにとっては「色を楽しむこと」が目的なので、こうした代替案を一緒に選ぶことも、素敵なコミュニケーションになります。
「やらせる・やらせない」ではなく「守る・伝える」へ
ヘアカラーは単なる美容ではなく、皮膚科学・化学物質・ライフスタイルすべてに関わる選択です。
だからこそ、ただ禁止するのではなく、
- なぜ今はやめた方がいいのか
- 将来にどんなリスクがあるのか
- 今できる代わりの選択肢は?
こうしたことを、子どもと一緒に考える姿勢こそが、信頼関係を深めるカギになるのではないでしょうか。
まとめ|染めるかどうかよりも、どう守るか
子どもが「染めたい」と言ったとき、親がすべきことは「YES」か「NO」を即答することではありません。
大切なのは、リスクと向き合いながら、将来のために今なにができるかを一緒に考えること。
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