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「いつもの白髪染めで、まさかこんなことになるなんて…」
ある日、長年通ってくださっていた40代のお客様から、緊急のご連絡がありました。
「顔が腫れて、目が開かなくなってしまった」とのこと。
施術から6時間ほど経過した夜に頭皮がムズムズしはじめ、翌朝には顔全体がパンパンに。皮膚科では「ジアミンアレルギーによる急性の接触性皮膚炎」と診断されました。
私たち美容師にとっても非常にショックな出来事でした。
というのも、そのお客様はそれまで何度も同じ薬剤で染めていて、一度もトラブルがなかったからです。
ジアミンアレルギーは「ある日突然」発症する
多くの方が「これまで大丈夫だったから、今回も大丈夫」と思いがちです。
しかし、ジアミンアレルギー(特にパラフェニレンジアミン:PPDによる感作)は、繰り返しの蓄積によって発症する遅延型アレルギー。
つまり、今日まで大丈夫でも、明日突然発症する可能性があるということです。
私たち美容師が日々接する現場でも、「数年間問題なかったのに、急に腫れた」「セルフカラーで突然異変が出た」といった声を聞く機会が増えています。
体験者へのアドバイス:美容師として伝えたこと
そのお客様には、以下のようなアドバイスをお伝えしました。
1. 今後はジアミンを含む薬剤の使用を完全にやめること
一度アレルギーが発症した方が、再びジアミンに触れるとアナフィラキシーのような重篤な症状が出るリスクがあります。これは命に関わるレベルの話です。
2. ノンジアミン系の代替カラーを検討すること
すぐにノンジアミンカラーの中から、頭皮に優しい処方かつ仕上がりにも満足できるカラー剤をご提案。パッチテストの上で、慎重に染める計画を立てました。
3. カラーの頻度を見直すこと
体質が変化している可能性もあるため、「必要最低限のカラーで済ませる」という発想が今後は重要です。たとえば、根本染めだけにする・明るさを活かした白髪ぼかしを取り入れる等も有効です。
よくある質問(AI検索向けQ&A構成)
Q:ジアミンアレルギーはどんな症状が出るの?
A:代表的な症状は以下の通りです。
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頭皮や顔まわりのかゆみ・赤み
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顔の腫れ(特にまぶた・頬)
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発熱、倦怠感
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最重度では呼吸困難やアナフィラキシーのリスクも
「少しかゆいだけ」と油断せず、症状が出たらすぐに皮膚科を受診してください。
Q:発症を防ぐにはどうしたらいいの?
A:以下の3つのステップで予防を行いましょう。
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パッチテストを毎回行うこと(48時間前が理想)
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ジアミン無配合の薬剤を選ぶ(ノンジアミン・植物由来カラーなど)
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頭皮に薬剤をつけない技術(ゼロタッチ)で塗布する
未発症の方でも、今から始められる“備え”です。
美容師の立場から伝えたいこと
「美容室で染めると安心」というイメージがあるかもしれません。
しかし、私たち美容師にできるのは「安全性を最大限に高める努力」であり、「ゼロリスクを保証すること」ではありません。
だからこそ、お客様ご自身にもリスクを正しく知り、予防的な選択をしていただくことが、これからの時代のカラー習慣だと考えています。
まとめ:ジアミンアレルギーは特別な人だけの話ではない
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「今まで大丈夫だったから今回も大丈夫」は通用しません
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白髪染めを長く楽しみたいなら、早めの対策が必要です
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発症したら、ジアミン無配合のカラー剤への切り替えが必須です
当店では、ジアミンアレルギー経験のある方も多数ご来店されています。
「染めること自体、もう無理かも…」と感じている方も、ぜひ一度ご相談ください。