ヘアカラーを楽しむ方にとって、「ジアミンアレルギー」という言葉はあまり耳慣れないかもしれません。
しかし、染毛剤に含まれるジアミン(パラフェニレンジアミン)はアレルギーの原因となる可能性がある成分です。
特に、染毛後数時間から48時間以内に、かゆみや赤み、ヒリヒリとした痛み、さらには顔や頭皮の腫れといった症状状態が現れることがあります。
これらの症状が出た場合、すぐに正しい対処が必要です。
この記事では、ジアミンアレルギーの特徴や症状、検査方法についてわかりやすく解説します。
ジアミンアレルギーを発症した場合の代替方法である「ノンジアミンカラー」についても詳しくご紹介します。
アレルギーを心配しながらも、ヘアカラーを楽しみたいという方の参考になる内容をお届けします。
目次
ジアミンアレルギーの症状
ご相談の内容からジアミンアレルギーの可能性を考えてみます。
まず、『染めた後6時間後から1日くらいずっと』という部分から相談者様がおっしゃられているように、遅延型のアレルギー症状という事が確認できます。
ジアミンアレルギーの特徴としてはヘアカラー中(染めている最中)に反応が出るのではなく、少し遅れて反応が出るという特性があります。具体的には数時間後から48時間以内に初期症状が見られます。
次に『ヒリヒリ熱を持って、染めてない顔まで ジンジンするようになります。』という部分は典型的なジアミンアレルギーの症状が確認できます。
かゆみや赤みといった症状は接触性皮膚炎の症状と混同しますが、火照るや熱を持つという症状はジアミンアレルギーの症状である可能性が高いように感じます。
この記事を読まれている方の中で今現在、上記のような症状が確認されていれば すぐに病院への受診をしましょう。
症状のピークが上記であればいいのですが、初期症状であった場合は見る見るうちに悪化していく可能性があります。
特にどの段階で処置をスタートするかで、回復にかかる期間も変わると言われておりますので できるだけ早く処置をしていただけるように行動をしましょう。
ジアミンアレルギーの検査方法
ジアミンアレルギーの検査方法としては【パッチテスト】たった1つです。
パッチテストは主に腕の内側、もしくは背中側 首の下あたりで行います。
肌に直接、ヘアカラー剤を塗布し 48時間をかけて経過を観察していきます。
赤みが出たり、虫刺されのようにポコっと腫れが見られるとジアミンアレルギー陽性です。
ここで初めて確定診断が出せます。
ジアミンアレルギーの実施は『美容院』と『病院』で行う事ができます。
美容院での検査
美容院で検査を行う場合は比較的容易にできます。
事前にパッチテストの希望を伝えて予約を取ったら美容院にいくだけでOKです。
お店によってはパッチテストを行っていないお店もあるので事前確認は必須です。
また、パッチテストは実際に使用をする予定の薬剤で行う必要があります。
ジアミンアレルギーの検査にしても使用を想定した〇〇メーカーの△△というカラー剤でなくてはいけません。
適当なメーカーのジアミンが含まれている薬剤ではいけません。
ヘアカラー剤は商品によって含まれている成分が異なります。
ジアミンアレルギーの可否はもちろんですが、ジアミン以外の成分に反応がある可能性もあります。
それを確実に見極めるためにも使用する見込みの薬剤で実施をする必要があります。
可能であれば 次回以降、ヘアカラーを依頼する予定の美容院にパッチテストをお願いするようにしましょう。
病院での検査
病院でもヘアカラーのパッチテストを行う事ができます。
ただし、美容院と比べて難易度は上がります。
- パッチテストを実施可能な病院を探す必要がある
- 使用する見込みのヘアカラー剤を新品・未開封の状態で美容室から調達する
まず、病院に行けばどこでもパッチテストを引き受けてくれるという訳ではありません。
事情を説明してパッチテストの有無が可能かを確認する必要があります。
OKをいただければ次に美容院から薬剤を調達する必要があります。
新品・未開封で成分表記が完全に明記されたものを手に入れる必要があります。
美容院から無償提供なのか、有償買取なのかを相談して譲っていただけるかを問い合わせましょう。
前項でも解説しましたが、パッチテストには実施予定の薬剤を揃える必要があります。
2種類使う予定があれば2種類の薬剤を、3種類使う予定があるのであれば3種類を入手し、病院へと持ち込む必要があります。
血液検査はできない
2024年、現在でジアミンアレルギーの判定で血液検査を行う事はできません。
ただしヘアカラー薬剤メーカーと医療分野の共同で血液検査の研究を進めているといった話題も上がっております。
近い将来には血液検査によってジアミンアレルギーの有無を調べる事ができる日が来るかもしれません。
ジアミンアレルギーになったらとりあえずノンジアミンカラー
ジアミンアレルギーになったから取り敢えずノンジアミンカラーで染めてみる。ということももちろん可能です。
ただし、ノンジアミンカラーのアレルギーがあることも覚えておいてほしいです。
例えば食物アレルギー=小麦だけではなく牛乳や卵、大豆とさまざまあるように、
ヘアカラーのアレルギー=ジアミンという訳ではありません。
ノンジアミンカラーに使用されている染料からアレルギー反応が起こることもありますし、添加されている香料や防腐剤などさまざまな成分からアレルギー反応が起こることも考えられます。
既にジアミンアレルギーを発症されている方にとっては、発症されていない方と比べて そのほかの成分に対して敏感になりがちです。
取り敢えず、ノンジアミンカラーを試しながら反応の有無を見てみるということも可能です。
ご不安な場合や安全に取り組みたい場合には別途、ノンジアミンカラーのパッチテストをしてから施術を行うことをおすすめします。
ノンジアミンカラーにも種類がある
さて、ノンジアミンカラーはヘアカラーのカテゴリーを指しております。
実際にはノンジアミンカラーにはいくつかの種類に分かれており、それぞれに特性があります。
明るく | 白髪が | 色持ちが | |
アルカリカラー | 染まる | 染まるが薄い | 良い |
塩基性カラー | 染まらない | 染まる | 悪い |
ヘアマニキュア | 染まらない | 染まる | 悪い |
ヘナ | 染まらない | 染まる | 良い |
ざっと区分をすると上記のようになります。
これらを加味してご自身の髪の状態や仕上がりのイメージに合わせて薬剤を選択していく必要がございます。
また前途したように継続的に使用をしていくことで、ノンジアミンカラーの中でもアレルギー反応が起こる場合もございます。
その場合には他のノンジアミンカラーへの切り替えを考える必要があります。
長く安全に使用を続けていくためには、適切な染め方と頻度を守っていくことと健康な頭皮環境を維持していく事が重要です。
まとめ
ジアミンアレルギーは、染毛後数時間から遅れて症状が現れる遅延型のアレルギーであり、注意が必要です。
症状が疑われる場合は、少なくとも早く病院で診断を受け、必要に応じて適切な処置が必要です。
また、アレルギーを確定させるためにはパッチテストが必須で、美容院や病院での検査が可能です。
ジアミンアレルギーと診断された方でも、ノンジアミンカラーを活用することでヘアカラーを楽しむことができます。
健康的な頭皮を選びながら、自分に合ったカラーを見つけて安全にヘアカラーを楽しんでください。