白髪染め=暗く染まってしまうという認識はまだまだ根強くあります。
しかし僕の見解では白髪でも明るく染めることやデザインの幅を広く保つことは可能であると思っています。
この記事では白髪を明るく染める方法から明るい白髪染めを維持するポイントまで実例を交えて解説をしていきます。
白髪染めをすると暗く染まってしまい悩んでいるという方はぜひ参考にしてみてください。
目次
白髪を染めながら明るくしたいとお悩みのお客様
5年近いお付き合いのお客様です。
初回ご来店をいただいた時は信じられないくらい真っ黒な状態でした。
お話を聞いてみると、2週間に1度のペースで自宅でカラーリングをしていたそうです。
それを今後明るくしていきたいということでご相談をいただいたので、長期プランをご提案させていただきました。
徐々にリハビリを行い、現在ではここまで回復してきました。
白髪を明るく染める前の髪質データ
- 細毛
- 硬毛
- 白髪比率40%〜60%
今回も2週間前に染めてはいるものの、根元が目立てきました。
伸びてきたと言っても0.5cmほどですが、白髪に悩んでいる方からすればストレスを感じ始める時期でもありますね。
毛先のベースはすでに完成しております。
ここから明るくする必要もないため、今回は根元の白髪部分をリタッチカラーで施術していきます。
もちろん毛先の明るさに合わせていくため、10トーンほどを目安に設定していきます。
美容室のカラー剤でも明るい白髪染めは難しい
10トーンといえば、白髪染めの中ではかなり明るい分類になります。
ここまで明るい白髪染めは存在するのでしょうか?
答えは “NO” です。
メーカーが作っている薬剤の中にないことはありません。
しかし、実際に10トーンの白髪染めを使用してみると、明るくはなるものの白髪の染まりは甘くなります。
美容室では多くのカラー剤を取り扱っていますが、残念ながら“白髪をるくすること”と“白髪をしっかり染めること”を両方叶えてくれる事ができる薬剤はありません。
もちろん、市販の薬剤の中にもありません。
白髪を染めることと明るくすることは“相反すること”
まずは白髪染めのメカニズムから分析していきましょう。
白髪をしっかりと染める薬剤(1トーン〜6トーンほど)の場合は明るくする力が弱く、色の濃さが濃く設定されています。
つまり白髪を染める能力は高いものの、その分明るくする力は弱いといえます。
次に白髪を明るく染める薬剤(7トーン〜)の場合は色の濃さは薄く、明るくする力が強く設定されています。
明るくする力が強くなるにつれて、白髪を染める効果は弱まってしまいます。
一人一人に合わせた配合を
ここまでお伝えしてきたように、白髪を明るく染めたいからと言って単純に明るい白髪染めで染めるだけでは理想の仕上がりにはなりません。
僕自身、普段のサロンワークではお客様の髪質や状態、仕上がりのイメージに合わせてオリジナルの薬剤を作りながら染めていきます。
白髪染めを分解して考えると・明るくする力・色の濃さ・色味の3つに切り離して考えることができます。
それぞれのバランスをうまく調節していくことで、最適な薬剤を作っていくことができ、お客様1人1人のオリジナルな白髪染めを作り上げていくことができます。
今回のケースでいえば、明るくする力と色の濃さを最大限に高い位置で設定していき染めていきました。
白髪染めの薬剤を単体で捉えると難しいことですが、いくつかの薬剤を組み合わせることで配合の幅は広がり、単体だけでは作ることのできない薬剤も作り上げることができます。
白髪を明るく染めた仕上がり
カラーリングの頻度が高いため、もちろんカラー前の頭皮へのケアと負担のかかりにくい塗布のやり方は欠かせません。
根元は綺麗に染まり、明るさも維持できていますね。
毛先はハナヘナハーブトリートメントの効果でツヤとまとまりが蘇りました。
将来的にはパーマをかけていく予定なので、現在はそれに向けてのメンテナンスを行なっているところです。
最近友人の間でも髪の明るさが話題になったようで、白髪染めをしているのにここまで明るい髪はすごいねと褒められたそうです。
すでに黒い方は白髪を明るくすることは長期スパンで考えて
今までおしゃれ染めをしていたり、白髪染めをしていても明るめに染めてきた方は、そのまま明るく染める白髪染めに移行することが出きます。
既に暗い状態の方は焦らずに長期スパンでの修正を考えましょう。
白髪染めの染料は強力
白髪染めの染料はとても強力なため、簡単には落とすことは出来ません。
落とすことが出来るとすれば “脱染剤”や“ブリーチ剤”の使用が必要になります。
これらを使用したとしても、白髪染めを続けていた期間や染料の定着具合によっては修復が難しいケースがあります。
また、急激に白髪染めの染料を抜いて明るくしてしまうと髪の中に「赤色」の染料が残るために不自然な色味に仕上がってしまいます。
もちろん、髪にかかる負担も大きいのであまりオススメはできません。
補正には1年程度を目安に考える
自然褪色を待ちながら色味の補正を行っていくと、髪の負担も最小限に抑えながら綺麗な明るいカラーになっていきます。
長期間にわたり、暗いトーンの白髪染めを繰り返されてきている場合は1年前後を目安に取り組んでいきましょう。
今回ご紹介させていただいているお客様も
と長期間に渡り信用して通い続けてくれたからこそ、今の綺麗な仕上がりがあるといえます。
白髪を明るく染めたい方は自宅でのカラーリングは控えましょう
今までやってきてしまっている方は仕方ありません。
水に流して忘れて切り替えましょう。
明るくしたい方や色味を楽しみたい方は絶対に自宅でのカラーリングはNGです。
自宅での白髪染めは髪を暗くしすぎてしまう。
よくあるケースは思っていたよりも暗くなってしまったというもの。
1度暗くなってしまった髪の毛を明るく戻すのには時間がかかります。
自宅での白髪染めはムラになりやすい
全体に均一に塗っている、、、ハズ!でも実際はムラムラなことがほとんどです。
色のムラがあるということは、ダメージのムラも起こっています。
カラーの仕上がりへの影響だけでなく、縮毛矯正やパーマなどそのほかの施術へのリスクにもつながってしまいます。
無理して自宅で行おうとせずに、ここはプロに依頼することをオススメします。
急いで白髪を染めたい時のお助けアイテム
それでも緊急の用件が入ることもあります。
予定は急に埋まります。
そんな時にオススメなのが、シャンプーで落とせてスタイリング剤感覚で使用できる1dayカラーです。
気になる白髪部分にさっとなじませるだけで一時的に白髪を隠すことができます。
最近はファンデーションタイプやマスカラタイプ、くしタイプなど形状は様々あるので色々試してみて自分にあったものを探してみてください。
今回の白髪を染めながら明るくした実例のように
白髪染めは明るくすることはできない と言われ続けてきて諦めている方に多く出会ってきました。
しかし僕はそうは思いません。
白髪染めだって明るく染めていくことは可能です。
白髪がある方でもデザインとして楽しむことは十分に可能です。
ヘアカラーを楽しんでいきましょう!
既に暗くなってしまっている方や赤みが強く出ていて、希望通りにならない方などお力になれると思いますのでお気軽にご相談ください。