ジアミンアレルギーに悩む方向けに用意されているのがノンジアミンカラーです。
肌の弱い方やアレルギーの方でも染められるイメージからノンジアミンカラー=ダメージの少ないカラー剤と認識されることもしばしばあります。
しかし残念ながらノンジアミンカラー=ノンダメージというわけではありません。
ノンジアミンカラーでも明るくする工程で過酸化水素水やアルカリ剤といった薬剤を配合していへば通常のカラー剤と同等にヘアダメージは発生します。
またカラートリートメントやヘアマニキュアタイプのノンジアミンカラーであれば負担は最小限に抑えることができます。
しかし色持ちが極端に悪く染める頻度がかえって高くなることからダメージが抑えられるとは言えません。
結論から言えばノンジアミンカラーで髪は傷まないということはありません。
では髪のダメージを抑えながら染めていくにはどのように取り組めばいいのでしょうか?
今まではダメージケアが目的でノンジアミンカラーを使用していたそうです。
しかし、なかなか中々改善されなかったことと通うのが難しくなり近くでノンジアミンカラーを扱っている僕のところにご相談をいただきました。
確かにノンジアミンカラーは通常のカラーに比べればダメージが少ないことは確かです。
ただ髪の毛のダメージを気にしている方にケアカラーとしてのオススメはできません。
そもそも無理にノンジアミンカラーで染めていることが原因か2ヶ月前にカラーを行なっているのに半年ぶりのカラーを思わせるほどの色の差が生まれています。
お客様自身も気にされています。
お客様のご要望に合わせて適材適所なプロセスを提案していかなければこのような若干のズレが生まれてしまいます。
ノンジアミンカラーは傷まない?ダメージを抑えたい方にはオススメすべきではない
僕個人の意見としてはダメージを気にされている方への提案としてノンジアミンカラーは行いません。
理由は3つあります。
- 色落ちが極端に早い
- 髪の毛の中に色が留まらない
- 全体の色の統一が難しい
順番に解説していきます。
1、色落ちが極端に早い
ダメージケアを行なっていたということを考えると、おそらくトリートメント系の塩基性カラーを使用していたと予想できます。
塩基性カラーは髪の表面に吸着することで髪を染めています。
内側まで浸透するジアミン染料に比べて、日々のシャンプーや摩擦などが色落ちの大きな原因となってしまいます。
2、髪の毛の中に色が留まらない
実はノンジアミンカラーの染料も一部は髪の中まで到達するものもあります。
ただし、非常に小さい染料なのですぐに髪の毛の隙間から逃げ出してしまいます。
対してジアミン染料は髪の中に長く残れる性質があります。
次にカラーをする際に染料が内部に残っているのか、残っていないのかは色持ちに大きく影響していきます。
3、全体の色の統一が難しい
ノンジアミンカラーは色落ちはしやすいとはいえ、染めたては暗く染まったように見えます。
その仕上がりに合わせて根元部分を染めていくので、時間が経つと今回のように根元と毛先の明るさの差が生まれてしまいます。
おそらく染めたては綺麗に全体は統一されていたのだと予想しています。
そもそもノンジアミンカラーもダメージレスではない
名前の印象からダメージはかからないものと捉えられがちですが、ノンジアミンカラーでも髪は痛みます。
そもそもノンジアミンカラーというのは一つのカテゴリーなので種類は様々あります。
- 塩基性カラー(トリートメントカラー)
- 酸化染料
- マニキュア
- ヘナ
- 脱色剤
この中で酸化染料や脱色剤は明るくする作用があるので、通常のカラー剤と同等なダメージがあります。
塩基性カラーやヘアマニキュアは仕上がりがツヤっと見えるのでダメージがないカラー、髪質改善カラーなどと呼ばれていますが、実際は多少の負担は髪にかかっています。
今回ご来店のお客様の場合でも根元〜中間には明るくする薬剤が使われているので、ダメージがかかりませんと言うのには偽りがあります。
本当に髪に負担をかけないヘアカラーとは?
ズバリ!リタッチカラーです。
リタッチカラーは根元の伸びてきた部分のみを染めていく技術のことを指します。
つまり毛先は染めないと言うことですね。
当たり前ですが、染めずにいれば毛先が痛むことはありません。
そもそもなぜ毎回毛先まで染めなければいけないのか?
僕のお客様はリタッチカラーでの施術が多いのですが、世の中全体的に見ると毎回全体を染めている方は結構多くいます。
それはなぜかと考えて見ると、単純に色を変えたいからか色が明るくなってきたからだと思います。
色を変えたい方の場合はカラーに価値を感じているのでいいと思います。
しかし、色が明るくなってきたから染めている方は痛むから染めたくはないけど、暗くしないといけないから染めないといけないと言う方が大半です。
誰だって髪を痛めたいと思っている人はいないですからね。
今回相談いただいたお客様も圧倒的に後者でした。
そんな方にはノンジアミンカラーのような色が落ちやすいカラーではなく、できるだけ髪の毛に色が残りやすいヘアカラーの提案が正解だと思います。
色落ちしにくいヘアカラーとは?
個人的に思うのは脱色作用のないカラー剤です。
ヘアカラーの仕組みを考えるとよくわかると思います。
通常、カラー剤は髪に触れるとまず髪のもともと持つ色を脱色します。
明るくした上で色を入れて暗く見せます。
毛先に使う薬剤は優しいものを使っていると思い込んでいる方も多いですが、仕組みは同じです。
明るくする作用は少ないですが、それでも今の明るさから脱色して色を入れていきます。
今このブログを読んでいる人は色落ちに悩んでいると思いますが、ご自身の髪を見た時に毛先部分が異様に明るくなっていませんか?
それは根元よりも毛先に進むほどカラーを行なってきた回数が多いことが原因です。
脱色作用のないジアミン染料
僕の場合は、このように悩む方には香草カラーをご提案しております。
ジアミン入りヘナと捉えてもらうとわかりやすいでしょうか。
ハーブの粉と水とトリートメントを混ぜ合わせたものを髪に塗っていきます。
通常のカラーの脱色作用がないものになるので、髪の負担は最小限に染めていくことが可能です。
また、髪に色も残りやすいので今回のようなお客様の場合でも2〜3回ほど重ねてもらえればベースが完成します。
以後はリタッチと退色が見られる場合のみハーブカラーで染めていけば、現状よりも綺麗に負担を少なくカラーを行なってくことが可能です。
ダメージを最小限に抑えたヘアカラーでの仕上がり
縮毛矯正をかけているので、毛先のみワンカールで巻いて仕上げてります。
それでも中間〜毛先までのツヤや色の統一感はしっかりと表現できたと思います。
しっかりと次回予約もいただいたのでしっかりとメンテナンスをしながら綺麗な髪を作っていきましょう。
ノンジアミンカラーは痛まない、ダメージレスは嘘!ヘアカラーの本当のところ まとめ
- ノンジアミンカラーはダメージレスではない
- ヘアカラーの負担を抑えるにはベースの髪色をいち早く整えて、リタッチカラーだけで済む準備をする
- すぐに明るくなりやすい方には香草カラーがオススメ
長くなりましたが、まとめるとこのような感じです。
今回のように悩まれている方は非常に多い印象です。
このブログが解決の糸口になれば嬉しいです。
お近くでお悩みの方やどうしても解説しない方はぜひ一度ご相談ください。