ここ最近、ご新規のお客様からジアミンアレルギーを発症してしまいました。
ノンジアミンカラーで染めていただきたいです。というご相談が増えております。
冗談や脅しではなく、本当にヘアカラーのやり方そのものを見直していかなければいけません。
1度ジアミンアレルギーを発症してしまうと2度とジアミンを含むヘアカラー剤の使用はできなくなります。
そこで活躍してくれるのが『ノンジアミンカラー』です。
今回はジアミンアレルギーを発症された方が使用できるノンジアミンカラーについて解説していきます。
目次
そもそもジアミンアレルギーの原因ってなに?
ジアミンアレルギーの原因はカラー剤に含まれるジアミンという成分です。
美容室で取り扱われているものも、市販されているものも全て含めて95%以上のカラー剤にはジアミンが含まれています。
今流行りのオーガニック系のカラーやハーブカラーにもジアミンは含まれております。
基本的に世の中にあるカラー剤にはジアミンが配合されているという認識は持っておいた方が良さそうです。
ジアミンアレルギーの予防方法
まず、第一にいかにジアミンとの接触を無くすかということです。
極端にいえば『ヘアカラーをやめる』ことが1番ですが、なかなかそうもいきません。
ですので、ヘアカラー剤のジアミン量を極力少なくしていくことが大切です。
ヘアカラー剤はそのまま使わない方がいい
美容室専売のものも含めて、販売されているヘアカラー剤はジアミン濃度がかなり高く設定されています。
メーカー目線で色持ちや発色などを考慮してのことですが、美容師目線で見ればそこまで必要ないケースが多いです。
特に根元だけのヘアカラーの場合、色持ちも何も関係ありません。
それよりも頭皮への影響が心配です。
実際、僕が使用する際は販売されているヘアカラー剤とジアミンを含まないヘアカラーを掛け合わせることで使用しております。
そうすることで、必要最低限のジアミン量で髪を染めることができ、ジアミンアレルギーのリスクを軽減することができます。
カラー前には頭皮保護を徹底
カラーリングを行う際に何もせずにカラー剤を塗る場合と保護をした上でカラー剤を塗った場合では雲泥の差があります。
頭皮の保護とは専用のオイルで頭皮をコーティングすることでカラー剤との接触の緩和をすることができます。
100%カットすることは難しいですが、リスクを下げてくれる効果は必ずあります。
逆に保護されていない状態の頭皮にカラー剤を塗った場合、ダイレクトについてしまうので、ジアミンアレルギーのリスクは高くなります。
頭皮につけないように薬剤を塗っていく
一般的にゼロテクなどと呼ばれているカラー塗布の方法があります。
頭皮にカラー剤をつけないようにギリギリから塗っていくことで刺激やリスクを抑えることができます。
ジアミンアレルギーを発症されてしまった方は残念ながら、この方法でも染めることはできませんが、まだ発症されていない方には有効な方法です。
ジアミンアレルギーを発症された方へのヘアカラーの対応
ジアミンアレルギーを発症後はジアミンを含むヘアカラー剤は一切使用できません。
でも、ヘアカラーが一切できないというわけではないので安心してください。
ジアミンアレルギーを発症された方はノンジアミンカラーで染めていく
ジアミンという成分にアレルギー反応が起こっているわけなので、ジアミンを含まない薬剤であればヘアカラーを行うこともできます。
ノンジアミンカラーは大きく分けて5種類に別れています。
- ヘアマニキュア
- 塩基性カラー
- ヘナ
- 脱色剤
- 酸化染料
詳しく解説していきます。
ヘアマニキュア
髪をコーティングすることで色をつけていきます。
明るくする効果はなく、薬剤自体も髪の内部まで浸透することはできないため髪を傷めることなく染めていくことができます。
1度肌に着くと皮膚自体も染まってしまうため、根元から染めることができません。
ダメージがない反面、色持ちの悪さや根元がしっかりと染まらないなどデメリットがあります。
塩基性カラー
トリートメントカラーとしてネットやドラックストアなどでも取り扱えあれているため一般の方でも聞いたことがあるかもしれません。
塩基性カラーは髪の表面への吸着と細かい染料が髪の内部に入り込むことで髪を染めていきます。
市販のトリートメントカラーは色が入りにくいという意見が多くありますが、美容室で扱われているものは薬剤の調節で染まりやすくできています。
市販で販売できるものと美容室で販売できるものは違いがあるため、内容も異なります。
ヘナカラー
ヘナカラーは植物性のヘアカラー剤です。
ノンジアミンカラーの中で唯一科学的な成分を含まないカラー剤になります。
植物性の染料が髪の中に入り込むことで髪を染めていきます。
脱色剤
髪を明るくすることしかできない無色のノンジアミンカラーです。
ヘナや塩基性カラー、マニキュアと組み合わせて使用することで明るくしながら染めることも可能です。
ジアミンを含まないこと以外は通常のカラー剤と同じ成分でできています。
酸化染料
通常のカラー剤とほぼ同じ成分で構成されており、染料からジアミンが取り除かれています。
染まり方や取り扱いは通常のカラー剤とほぼ変わらないため、通常のカラー剤に一番近いノンジアミンカラーと言えます。
ただし、ジアミンに強く敏感な方は稀にアレルギーの症状が出る可能性もあります。
以上の5種類はジアミンアレルギーを発症されている方でも使用することができます。
症状や仕上がりのイメージに合わせて選択していくといいと思います。
また、1つ1つで見ていくとデメリットも目立ってしまいますが、組み合わせて使用することもでデメリットを解消することも可能です。
ジアミンアレルギーでかゆくなる?ノンジアミンカラーも安全とは限らない
ノンジアミンカラーにはジアミンは含まれていないものの成分によっては刺激やかゆみを引き起こす可能性も0ではありません。
特に髪色を明るくされるようなヘアカラーを行う場合にはリスクは高くなります。
ヘアカラーの際に行う予防対策などをノンジアミンカラーを行う場合でも取り組むことでリスクを抑えることができます。
既にジアミンアレルギーを発症している方はデリケートな状態で薬剤に敏感である可能性が高くあります。
ヘアカラーと長く付き合っていくためにもできる対応には取り組んでいきましょう。
ジアミンアレルギーの予防法と発症後に使用できるヘアカラー剤 まとめ
ここまで読んで、ジアミンアレルギーの特徴と発症後に使用できるノンジアミンカラーの種類についてご理解いただけたと思います。
ジアミンアレルギーが発症する理由は毎回のヘアカラーの積み重ねです。
長い将来、ヘアカラーを続けていくためにもカラーのやり方については見直していく必要があります。
また、ヘアカラーの反応は体調などにも左右されます。
疲れている時や体調がすぐれない時は見送ることも視野に入れることも大切です。