今日パッチテストでご来店いただいたお客様に何でジアミンアレルギーの方への施術に力を入れているのですか?
と聞かれました。
現在ではヘアカラーという大きなカテゴリーの白髪染めという小さなカテゴリーの中のジアミンアレルギーというコアなカテゴリーを専門にしています。
情報発信は かなり白髪染めに偏らせているので、新規のお客様からの施術依頼は100%ヘアカラーによるものです。
実際 白髪染めの分野に力を入れ始めたのが5年ほど前に遡ります。
その時に下ある経験がきっかけで、現在のような白髪染めに特化したスタイルを確立していきました。
本日はそんなお話です。
目次
白髪染めなんて誰にでも簡単にできる超初心者向けの技術
美容師になるとまずシャンプー技術の取得をして、その次に覚えるのが白髪染めです。
比較的塗るのは簡単(?)で塗れていないこと以外は失敗が起こりにくい(見えにくい)技術なんですよね。
試験も比較的難しくなく すぐにお客様に施術できるので美容師1年目の僕は
【白髪染めなんてちょろい】と思っていました。
(僕だけではなく美容業界の一般的な考え方だと思う)
実際入社2ヶ月後にはお客様のことを染めていましたし、半年もすれば1人で任されていました。
まぁ、誰にでもできることという認識でした。
ある時に顧客の方がアレルギーを発症
ある時 お店のお客様でヘアカラーのアレルギーを発症された方がいらっしゃいました。
https://watanabe-yusuke-home.com/blog/2018/08/10/about_diamine-allergie/
え、あれがヘアカラーで起こるの!?
白髪染めだからってなめてたら まずいんじゃないか?
アシスタント目線でも衝撃を受けたことを今でもはっきりと覚えています。
それよりも何よりも そのお客様に対して何もできないことに衝撃を受けました。
アレルギーが発症したら染めることはできないですねー。って。
僕もその当時はアレルギーへの知識は深くなかったし、ノンジアミンカラーの存在も知らなかったので、どうすることもできませんでしたね。
でも、本当に染めることってできないのか?知らないだけで何かしら染まる方法はあるんじゃないのか?
その体験をきっかけに白髪染めの研究に没頭した日々を過ごしました。
カリキュラムとかほぼ無視した(笑)
その時は2年目の後半くらいだったので カリキュラムも終わりかけで
いよいよスタイリストデビュー前だったのですが・・・
白髪染めについての研究に没頭しすぎて用意されていたカリキュラムはほぼ無視しました。
- 何でアレルギーになったのか
- どうしたらアレルギーが起こらないのか
- アレルギーになったら本当に染められないのか?
今まで習ってきたことに疑心暗鬼になって 1から自分で調べ尽くして勉強し尽くしました。
皮膚科の専門医に質問したり、既にノンジアミンカラーに取り組んでる美容室に聞いたり、自分で片っ端から実践したりと
おかげでデビューが1年近く遅れましたが、その時の経験が今に繋がっています。
ほら、やっぱり染める方法だってあるじゃん!
あの時 お断りしたお客様に担当させて欲しいくらいです。
白髪染めに特化した今だからこそわかる難しさと怖さ
もうね、白髪染めとか劇薬な訳です。
でも 今の9割のお客様のご要望を叶えるためには そんな劇薬を使わない訳にはいかないんですよ。
こんなことでは誰も染めたくないですよね。
だからこそ、白髪染めとは切ってもきれない関係なんです。
その中で僕ら美容師に求められているのは どれだけリスクを減らせるのか?ということなんですよ。
もはやお客様は染めることは求めていません。
染めるだけなら自宅でだってできる時代です。
そんなことよりも安心で安全かどうかが大切で それを美容院(美容師)に求めている訳です。
色々と見てきましたが、そのように取り組んでいるお店は1割程度ですね。
だから残念ですが、これからもジアミンアレルギーに悩む方は増え続けます。
10年・20年後は様々な要因で爆増することも予想できます。
それが今のヘアカラーの現状だと思います。
ジアミンアレルギーの発症は適切に予防しながら染めていけば大きく減らせる
ジアミンを含むカラー剤を使っていれば 僕のお客様であってもアレルギーの発症は起こり得る話です。
どんなにケアをしていても100%安全はありえません。
でも今のところは1人もアレルギーになった人はいません。
アシスタントでも素人美容師でも できる白髪染めにどれだけこだわれるかが大切なんです。
僕はある時から事前ケア・塗り方・後処理をもれなく徹底するようにしてきましたが、
どれだけこれを徹底できるのかで10年・20年後の頭皮環境は大きく左右されるんです。
白髪染めが続けられるか、続けられないかが決まるんです。
トリートメントって見た目や手触りに影響があるので 実感もしやすいしお客様にも喜ばれやすいですが
白髪染めのケアは全く目に見えないから優先度は低いんですよね。
でも髪を染める以上は これほどに大切なケアはないと思っています。
僕の中では当たり前の必須事項です。
アレルギーを発症後はできることはありません。
お客様からはアレルギーを発症された後に何とかなりませんか?と相談をいただくことが多いです。
しかし、残念ながら改善方法はありません。
染める方法はあっても治す方法はないことが現状です。
だからこそ まだ発症していない方に相談をしていただきたいです。
(もちろん アレルギーに悩む方も相談してください。)
現状で何もなければ色々な提案が可能です。
白髪染めに対する思い
と、こんな経緯で現在のスタイルに至ります。
専門的にやっている分、その辺のお店とはレベルが違います。
そして白髪染めに対する思いも断然に違います。
久しぶりに思ったままの言葉でブログを書きましたが、過去に目の前で悩まれているお客様を目の当たりにした経験から
そこの解決にとてつもない執着が湧いた感じです。
そして同じような思いをされる方を1人でもなくすために これからも変わらずに取り組んでいくと思います。