ノンジアミンカラー/ジアミンアレルギー解説

『ル・ポリサージュ』新しい白髪染め用ノンジアミンカラーを導入【追記】

この度デミコスメティックより新しい染料を使用した『ル・ポリサージュ』というノンジアミンカラーをの発売が決まりました。

今回はこのル・ポリサージュについてどこよりも早く、詳しくまとめていきます。

この記事を読むことでル・ポリサージュのことや新しい染料として注目を集めるグロス染料のことがわかります。

実際にお客様に使用した白髪染めのレポートと使用感もまとめているので是非ご覧ください。

【追記】

いくつかのケースで使用をしてみましたが白髪染めとしての導入は見送りました。

おしゃれ染めとしては有効な薬剤なので使用しております。

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目次

ル・ポリサージュとは?

今年の秋にデミコスメティックから発売されたノンジアミンカラーです。

実はこの商品の発売を心待ちにしておりました!

ジアミンを含まない新たなグロス染料を開発し商品化したもので、一部の美容師さんの間では発売前からザワザワしていました。

ル・ポリサージュの何がすごいの?

ポイントをまとめて解説していきますね。

ル・ポリサージュは3つのフリーを実現

ル・ポリサージュはヘアカラーのアレルギーや刺激の主な原因と言われている3つの成分を未配合の薬剤です。

「ジアミンフリー」「アルカリフリー」「過酸化水素フリー」

僕のブログでも何度か登場しているワードなのでなんとなく見たことある方もいらっしゃるかもしれません。

まず、ジアミンはアレルギーの原因成分です。

ジアミン染料を含まない代わりに、グロス染料という成分を配合し髪を染めていくことができます。

もちろんジアミン未配合の薬剤なのでル・ポリサージュはノンジアミンカラーのカテゴリーに分類されアレルギーのある方でも使用することができます。

次にアルカリや過酸化水素はヘアカラーの刺激を引き起こす成分です。

カラーを塗った後にピリピリと刺激を受けやすい方はこちらの成分が原因の可能性が考えられます。

ル・ポリサージュはジアミン同様にアルカリや過酸化水素も使用していないためにそのようなお悩みの方も染めることが可能になります。

美容師
美容師
ただし、アルカリや過酸化水素を未配合ということは大きな欠点もあります。

アルカリや過酸化水素水がなくては髪を明るくすることができません。

黒く染めたい方は問題ありませんが、明るく染めたい場合はライトナーなどを併用して1度明るくする工程を挟む必要があります。

その際はアルカリ剤や過酸化水素は必要になりますね。

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同じくジアミンフリー、アルカリフリー、過酸化水素フリーの塩基性カラーと同じ工程が必要になりそうです。

ル・ポリサージュはツヤ感のある発色が綺麗

このル・ポリサージュで染めると髪にツヤ感が生まれるようです。

その仕組みは新成分のグロス染料に秘密があるようですね。

新しい染毛メカニズム『グロス染料』

一般的なアルカリカラーに配合されている酸化染料は、分子が小さくアルカリによって髪の内部まで浸透、過酸化水素の働きにより染料同士が結合(酸化重合)して発色します。一方『グロス染料』は、すでに発色している染料のため、酸化重合に必要な過酸化水素を用いることなく染毛を可能にしました。この『グロス染料』は、髪のキューティクル付近に染まりやすい特徴があり、髪に自然なツヤを表現できます。
また、アルカリがなくても染料が浸透しやすいメカニズムで、ダメージレス・低臭、低刺激のカラーリングを実現しました。

『グロス染料』がツヤを生む理由

光を味方にした『グロス染料』の染着部位
『グロス染料』はキューティクル付近に染着し、染料の層を作ります。その層の部分で光を反射することでツヤが生まれます。さらに、『グロス染料』は分子量の大きさが整っており、キューティクル付近に均一に染まりやすいため、光の反射がしっかり揃い、鮮やかなツヤとなります。

くすみにくく、彩度が高い発色
『グロス染料』は、二量体※の形をした染料で、この二量体染料を精製して不純物を取り除いています。そのため、にごり・くすみがなく、彩度の高い発色でツヤが見えやすくなります。

ツヤと共に、“やわらかさ”と“なめらかさ”のある髪へ

ル ポリサージュは、他の染料のヘアカラーリング製品と比べて、ツヤとともに質感のやわらかさ、なめらかさがアップ※。髪一本一本、指どおり良くやわらかな質感に導き、触れたくなる仕上がりを実現します。アルカリや過酸化水素によるダメージもなく、繰り返しヘアカラーが楽しめます。 ※当社ヘアカラーリング製品との比較

デミコスメティック公式ホームページより引用

美容師
美容師
わかりやすくいうと、髪の奥深くまでは浸透することはできずにキューティクルの1つ内側の部分で染まってくれるということ。

また染める際にキューティクルをコーテングしてくれることで髪を染めながらもツヤ感をアップさせることができるということです。

染まり方のメカニズムで言えば『ヘアマニキュア』によく似ているように感じます。

ル・ポリサージュのメリットとデメリット

ここまで読んでいただければ、ル・ポリサージュがどんなカラー剤なのかをざっくりと理解していただけたと思います。

ここで1度ル・ポリサージュを使用した際のメリットとデメリットをまとめてみます。

ル・ポリサージュのメリット

やはり1番の売りはノンジアミンカラーということでしょうか。

ついに大手メーカーがノンジアミンカラーを扱い始めたか!と嬉しく思います。

ジアミンアレルギーの方が染める選択の幅が広がることは大きなメリットになると思います。

今までのノンジアミンカラーは暗くすることや赤みを抑えることが苦手だったので、その点ではル・ポリサージュに期待しています。

ル・ポリサージュのデメリット

単体では明るくすることができないことでしょうか。

ジアミンアレルギーに悩む多くの方は明るいヘアカラーを希望される傾向にあるので、ル・ポリサージュのみで明るくできない点はデメリットだと思います。

ライトナーを併用することで明るくしながら染めることも可能とありますが、それでは3つのフリーは崩れてしまいます。

現場目線で言えば結局は『ジアミンフリー』のみになってしまいそうですね。

ル・ポリサージュを実際に試してみた

卓上の空論ではわからないことも多いので、実際に薬剤を発注して使用感を試してみました。

メーカーさんには『白髪は染まりませんよ!』と念を押されたので、その点も検証してみます。

  • 今回は白髪は染まるのか?
  • 明るい仕上がりは可能か?
  • 本当にツヤはでるのか?
  • この3点を検証していきます。

ル・ポリサージュ白髪染め前の状態

トップ
右側
左側
後ろ

比較的白髪の量が多いモデル様です。

前側に40%ほど、後ろは20%ほどの量です。

黒い部分は8トーンを目指して明るくし、白い部分はしっかりと染めていきます。

ル・ポリサージュ白髪染めプロセス

今回は初めてなのでメーカーの推奨している手順通りに進めていきます。

まずは髪を濡らしていきます。

通常ノンジアミンカラーを行う際は染まりをよくするためにあえて乾いた状態で塗ることもあります。

しかし、ル・ポリサージュの場合は濡れた状態で染めていくことが必須だそうです。

ル・ポリサージュ専用の頭皮保護クリームでケアをしていきます。

全体にムラなく塗っていきます。

今回のケースで言えばライトナーからの刺激緩和効果とグロス染料が頭皮を染めてしまうことを防ぐ効果が期待できます。

根元の黒い部分にライトナーを塗っていきます。

ここでは白髪を染める目的ではないので、薄く頭皮につかないように塗布をしていきます。

ル・ポリサージュを塗布

明るくなったことを確認したのちにル・ポリサージュを塗っていきます。

今度は地肌からしっかりと薬剤を塗っていきます。

この時に頭皮も染まってしまうのでは?という不安もありますが、はじめに塗った頭皮保護クリームが抑制してくれるので安心です。

逆に薄く塗ってしまうと染まりが甘くなってしまう恐れがあるので、注意が必要です。

最後に温めながら時間を20分ほど置いたら完成です。

ル・ポリサージュで白髪染め仕上がり

では、仕上がりを確認してみてください。

トップ
右側
左側
後ろ

気になる白髪はある程度は染まりました。

そして、このツヤ感がル・ポリサージュの魅力です。

お客様自身もツヤ感と手触り感には感動されていました。

退色や手触りの持続などは引き続き経過を観察していきます。

ル・ポリサージュで白髪染め まとめ

今回は新しく発売されたル・ポリサージュの特色と使用感について解説をしていきました。

今までの酸化染料や塩基性染料やヘアマニキュアに続き新たにグロス染料という選択肢も増えました。

それぞれ良い部分、悪い部分を持ち合わせているので仕上がりのイメージに合わせて選択していけると良いですね。

一昔前より、ジアミンアレルギーに悩む方の選択の幅は広がりました。

怖くてカラーができない。自宅で誤魔化しながら。など悩みがある方はぜひご相談ください。

何か解決策はあるはずです。

一緒に探していきましょう!

【4/27追記】ルポリサージュを使用したその後

色々と検証していきましたが、白髪染めとしての導入は見送りました。

その理由はこちらからご覧ください。

おしゃれ染めとしてはかなり有効なので引き続き活躍してくれています。

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