この記事は日本全国でも他にない『ジアミンアレルギー』の方への施術を専門的に行う埼玉県さいたま市の美容院Safe Beauのオーナーが公開しております。
これまでに1000人以上のジアミンアレルギーに悩む方と向き合って解消してきました。
ノンジアミンカラーの経験数で言えば日本でトップクラスの症例数を対応してきております。
これまでの経験と自身の知識を元にジアミンアレルギーへの知識をまとめましたので是非ご覧ください。
突然ですが、みなさん、ヘアカラーにアレルギーがあることをご存知でしょうか??
このような症状はヘアカラー剤に含まれるジアミンが原因で引き起こるジアミンアレルギーかもしれません。
ジアミンアレルギーとは怖いもので昨日まで何事もなくても、翌日は反応が出てしまうことがあります。
花粉症の方がよく例え話に使いますが、ヘアカラーも同様に体の中にジアミンアレルギーに対する許容量があります。
コップ=人の許容量水=アレルギー物質
この許容量を超えて溢れた瞬間からアレルギー症状は起こると言われております。
ヘアカラーでも同じことが言え、許容量をジアミンが超えた瞬間からジアミンアレルギーの症状は起こります。
今回はそんなジアミンアレルギーについて解説していきます。
目次
ジアミンアレルギーとは?
ヘアカラー剤の中に含まれるジアミンという成分が原因で起こるアレルギー反応をジアミンアレルギーといいます。
年間では200名ほどのアレルギー発症報告が寄せられており、日本人の8〜10%程度の方がアレルギーを保有していると予想されています。
ジアミンアレルギーはヘアカラーを繰り返すほどに発症する確立は高くなります。また、おしゃれ染めと比較すると白髪染めの方がジアミンの配合量が高濃度になります。
若い方は全くならないと言うことはありませんが、白髪染めをされている方は注意が必要です。
ジアミンアレルギーの主な初期症状〜重症症状まで
ジアミンアレルギーを発症された方がヘアカラーを行うと次のような症状が引き起こります。
- かぶれる
- かゆみが出る
- 炎症が起こる
- 激しい痛み
- 頭痛
- めまい
ジアミンアレルギーの特徴はヘアカラーを行なった“直後”ではなく“数時間後〜翌日”に症状が現れるという点です。
痒くなる原因はジアミンアレルギーだけではない?
ジアミンアレルギーの見分け方
正確な反応を見るためにはパッチテストの実施をオススメします。
腕の内側に100円玉大にカラー剤を塗り、48時間ほど時間の経過とともに反応を見ていきます。
赤くただれるような反応が出たら、それはジアミンアレルギーの反応です。
美容室であれば簡単にできますが 自宅ではカラー剤は常備されていないので確認することができません。
すぐにアレルギーの症状かを知りたい場合は、いくつかのポイントからその判断を行うことができます。
ヘアカラー後に自宅でできるセルフ診断
自宅で簡単にできるジアミンアレルギーのチェック方法を解説します。
ヘアカラー後に違和感を感じたら次の2つの項目を確認してみてください。
- 違和感を感じたタイミング
- 反応の強さと反応部位
詳しく解説をしていきます。
1.反応はいつ頃から出たのか?
ジアミンアレルギーの反応はヘアカラー後から数時間後〜48時間以内に起こります。
もし、帰宅後や翌日以降に起こるものであればジアミンアレルギーの疑いがあります。
刺激が起こったタイミングが塗った直後や放置時間中に起こったものであればジアミンアレルギー以外の反応だと考えらえます。
2.反応の強さや発症部分はどこから出たのか?
一概には言えませんが、刺激の強さがピリピリと感じる程度であれば、ジアミンアレルギーの可能性は薄いと考えられます。
激しいかゆみや赤くただれたり、膿んでしまうようであればジアミンアレルギーの疑いが強いです。
また、反応が首や耳、顔などに現れた場合はほぼジアミンアレルギーと断定することができます。
ここで解説したものは、あくまでも見分けるための目安となります。
確定診断には必ずパッチテストを実施しましょう。
ジアミンアレルギーの治る可能性
ジアミンアレルギーは1度発症すると治ることはありません。
また、ジアミンアレルギーの症状が出ているのにも関わらず、繰り返しカラーを行っていくことで症状は次第に悪化していきます。
ただしジアミンアレルギー方専用のノンジアミンカラーという薬剤もございます。
ジアミンアレルギーの発症後に髪を染める場合はこちらを取り入れるようにしましょう。
ジアミンアレルギーの方が使用できるヘアカラー剤
ジアミンアレルギーの発症後は使用できる薬剤は絞られてしまいますが染める方法はあります。
それがジアミン成分を含まない『ノンジアミンカラー』です。
ノンジアミンカラーは大きく分けると5つに分類されます。
- 塩基性カラー
- ヘナカラー
- アルカリカラー
- ヘアマニュキア
- 脱色剤(ブリーチ剤)
これらを仕上がりのイメージやお客様の症状に合わせて使い分けていくことで、ジアミンアレルギーの方でもヘアカラーを楽しむことができます。
塩基性カラーやマニキュア、ヘナにもアレルギーを発症するリスクはあります。中には頭皮に刺激を感じられる方もいらっしゃいます。
またジアミンは少量であっても触れればアレルギー症状を引き起こします。そのため使用するタオルやクロス、器具などもノンジアミン専用のものを用意しなければいけません。
使うものではなく正しい知識を持って使うことが大切なのでノンジアミンカラー は専門店で行うことをお勧めします。
ジアミンアレルギーの症状が起こった後に取るべき行動
ジアミンアレルギーの発症を疑ったら素早く次の手順で行動をしましょう。
- 病院に行く
- 美容室に報告をする
時間の経過とともに症状が悪化していく恐れがあります。
早めの処置を行うことで、アレルギーの症状を最小限に抑えることができます。
1 病院に行く
まずは病院へ向かいましょう。
皮膚科やアレルギー科などではスムーズに対応を行なってくれます。
息苦しい時やその場から動けないなどの場合は救急車などを呼ぶことも考えましょう。
重症化している場合はアナキラフィシーショックを引き起こす可能性もあり命に関わるケースも報告されています。
2 美容室に報告をする
ジアミンアレルギーが引き起こったことを美容室に報告しましょう。
誤って次回以降でジアミン入りの薬剤を選定されては事故の元になります。
気に入って通っている美容室であればジアミンアレルギーの方向けの薬剤を取り扱っているのかの確認も行なっておきましょう。
ジアミンアレルギーを予防しよう
ジアミンアレルギーは1度発症をしてしまうと、直すことはできません。
そのため、発症しないように毎回のヘアカラーで予防していく必要があります。
ここではどのようにジアミンアレルギーを予防するのかを解説していきます。
1.ヘアカラー前には頭皮をケアしておく
ヘアカラーを行う前に何もせずにそのまま塗っていくことはリスクが高まります。
ヘアカラーの前には専用の保護剤などで頭皮保護を行います。
そうすることで、頭皮とカラー剤の間にオイルの膜ができ、直接触れ合うことを防ぎます。
ヘアカラーでしみやすい方にも有効です。
頭皮の表面には皮脂という天然の油分が存在します。
皮脂を残しておくことでも同様に刺激の緩和やジアミンアレルギー発症のリスクを下げることができます。
2.カラー剤の塗り方に気をつける
ヘアカラー剤を塗る際に頭皮からべったり塗ることはお勧めしません。
美容室によっては根元が見えないくらいにベターっと塗っているお店もありますが非常に危険です。
特に白髪染めのお客様に多く見られます。
髪の毛のダメージを気にするのと同じように、頭皮のダメージに関しても意識しましょう。
ベタ塗りを行なってしまうと頭皮に大きな負担がかかります。
3.カラー後は薬剤を残さない
ヘアカラーの薬剤はシャンプーだけでは落としきれません。
専用の薬剤で髪と頭皮に残らないように対策を行うことが基本です。
特殊な薬剤で、髪と頭皮に残るカラー成分を完全に除去していきます。
これを『後処理』と言います。
その場で効果が実感しにくく、目に見えない反応なため、コストカットしている美容室もありますがここでの工程は非常に重要です。
残したままにした薬剤は2週間ほどは頭皮に残ってしまい、少しずつダメージが蓄積していきます。
自宅で残留薬剤の除去ができるシャンプーとトリートメントもご用意しております。
これが毎回積み重なると髪と頭皮の将来に関係してきます。
曖昧なヘアカラーを続けていて、その間頭皮が耐えられると思いますか?
ジアミンアレルギーのケアは早いに越したことはありません。
もし、通われている美容室が信頼できるところであれば、改善してもらえるようにお願いしてみるのもいいかもしれません。
ジアミンアレルギーを発症してしまった後の対策
ジアミンアレルギーを発症してしまっても、染めないわけには行かないから・・・。
と通常のカラーを我慢しながら繰り返す方もいらっしゃいますが、それは絶対にやめましょう。
非常に危険です。
初めは軽い症状で我慢できたとしても、回数を重ねるごとに悪化していきます。
僕が取り扱い始めた頃は黒くすることしかできませんでした。
しかし、今では初期の頃よりも種類も増えており、色々なご要望に答えられるようになってきました。
明るくすることもできますし、通常のカラー同様に色味を選ぶこともできます。
ノンジアミンカラー自体にも種類はいくつかあるので、仕上がりのイメージに合わせて使い分けていくこともできます。
ジアミンアレルギーの方がノンジアミンカラー で染める実例
黒髪を明るくしながら白髪を染める
白髪比率20%前後のお客様です。
白髪部分は色を入れ、黒髪部分は明るく染めました。
白髪をハイトーンに染める
白髪比率30%前後のお客様です。
11レベルのアッシュベースで白髪を染めました。
顔周りの集中した白髪を染める
白髪比率顔周りのみ70%、その他は20%前後のお客様です。
顔周りとそれ以外の部分を分けてお染めしました。
ヘナで白髪染め
白髪比率90%前後のお客様です。
ヘナとインディゴの2種類のハーブを用いて白髪を染めました。
ノンジアミンカラー でおしゃれ染め
白髪はありません。
20代でアレルギーを発症されたお客様をノンジアミンカラー で染めました。
専門店ならではの観点でお客様ごとに最適な染め方をご提案しております。
ジアミンアレルギーの見分け方と予防法、対策のまとめ
このブログにたどり着いている方は、何らかのヘアカラーの異常に直面している方だと思います。
まずは、その異常がなぜ起こっているのかを突き止めることで、今後の対策が立てられると思います。
ヘアカラーでは“今”ではなく“将来”を見据えることが大切です。
今ケアを怠り、頭皮に負担をかけ続けると数年後、数十年後にしわ寄せがきてしまいます。
これから長いヘアカラー人生を送ることを視野に入れて毎回のヘアカラーに取り組んでいきましょう。
自分で解決できない場合は担当の美容師さんや皮膚科医に相談することも手でしょう。
専門の方の意見も聞きつつ、ヘアカラーを行なってみてください。
僕もオンライン上では相談を受け付けておりますので、お気軽に御相談ください。