今日はオーガニックカラーについて解説していきます。
簡単に説明すると、オーガニックカラーは髪に負担をかけずに染めていくことができる植物性ベースのカラー剤のことを言います。
植物性のカラーといえば『ヘナ』を思い浮かべると思いますが、全くの別物です。
ヘナとは違って白髪を黒くすることができることが特徴です。
髪に負担をかけずに染めることができ、通常のカラー剤と同じくらいの色持ち効果があることからお店ではかのあり重宝しております。
目次
オーガニックカラーとは?
オーガニックカラーとはハーブや漢方の成分をベースに酸化染料を含んだカラー剤のことを指します。
酸化染料(ジアミン染料)を含んでいるので、残念ながらジアミンアレルギーを発症している方は染めることができません。
ただ、通常のカラー剤と大きく異なる点は形状が粉状(パウダー状)になっているということです。
この粉状のオーガニックカラーに水を混ぜ合わせ、ペースト状にしたものを髪に塗っていきます。
普通のカラー剤と同様にジアミン染料を持ちながら、見た目や形状、塗り心地などはヘナに近いという特性を持ち合わせています。
天然のヘナとオーガニックカラーの違い
同じような見た目をしている点からよくヘナに間違えられることも多いですが、実は全くの別物と捉えていただいて間違いありません。
ヘナの1番の特徴は100%天然の染料と成分で構成されています。
白髪の染まりもジアミン染料に比べると劣ってしまいます。
色も限定的でたくさんの中から選ぶことはできません。
それに対して香草カラーは植物由来の成分がベースですが、科学的な酸化染料を含んでいます。
酸化染料の効果で白髪をしっかりと染めることも可能です。
染まりに関しては通常のカラー剤と遜色がないレベルです。
色も1度で地毛のように黒く染めることもでき、色味も幅広くあります。
美容室の中には香草カラーのことをヘナとして提供してしまうケースの相談を多々いただきます。
また、過去にはジアミンアレルギーの方に香草カラーを使用しジアミンアレルギーの症状が引き起こってしまったこともありました。
美容師側がきちんとした知識を持つことも大切ですが、お客様側も騙されないようにどんなものなのか予め把握しておきましょう。
オーガニックカラーが髪を痛めない最大の理由
では、なぜ髪を染めているのにも関わらず、髪を痛めないのでしょうか?
そもそもヘアカラーによるダメージの大きな要素は脱色をすることです。
つまり明るくすることが髪を痛める最大の要因です。
毛先は優しい薬剤を使用してはいても、それでも脱色作用は少なからず起こります。
香草カラーの場合はその脱色の作用がありません。
脱色は過酸化水素水とアルカリ剤の化学反応によるものですが、オーガニックカラーはこのどちらも含んではいません。
そのため単体の使用の場合は髪を明るくすることはできませんが、逆に髪に負担をかけずに染めることができます。
わかりやすく解説を入れます。
通常のカラーとオーガニックカラーの染まり方の違いの解説
まず、通常のカラーについいてです。
自毛から8レベルの明るさに明るくしたい場合と10レベルに明るくなった髪を8レベルに暗くしたいケースを想定します。
根元の伸びてきた部分と毛先の色が抜けた部分をイメージしてください。
まず、根元部分は8レベルの明るさに仕上げたいのですが、カラー剤は1度10レベルまで明るくしてしまいます。
その後2レベル分の色を補うことで染まりたては8レベルに仕上がったように見えます。
10レベルまで色抜けした部分を8レベルまで暗くしたいのですが、やはり11レベル前後まで明るくします。
その後3レベル分の色を補うことで8レベルに仕上がったように見えます。
また、毛先に行けば行くほど黄色っぽく色が明るくなりやすい原因もこれが原因です。
カラーは繰り返せば繰り返すほどにダメージを負い、色落ちしやすくなるというメカニズムで成り立っています。
この負の連鎖を産まないカラー剤が香草カラーです。
オーガニックカラーはその特性上、明るくすることができません。
そのため10レベルに退色した髪を8レベルにする際もそのまま2レベル分の色を補うのみです。
これにより髪を痛めずに染めて行くことができるだけできます。
また、色落ちしやすい方にとっても色の抜けにくいベースを作って行くことが可能なんです。
オーガニックカラーで髪に負担をかけずに白髪を染めていく実例
ここからは実際にオーガニックカラーを白髪染めとして活用している様子を見ていきましょう。
今回ご相談をいただいたお客様の染める前の状態です。
髪質データと施術の履歴
白髪利率 10%
写真上では左側の内側に多少白髪が集中して見られます。
それ以外の部分は点在するほどにしかありません。
前回染めたのは約10ヶ月ほど前のことだそうです。
カラー以外の施術履歴はありません。
髪を痛めるのが嫌で染めるまでに期間が空いてしまった
本来はこのくらいの白髪の割合の方でも3ヶ月ほどでは染めて行くことを推奨しています。
なぜ、ここまで期間が空いてしまったのでしょうか?
それは髪をできるだけ痛めたくないという思いがあったからだそうです。
前回のカラーでは痛まないからと勧められたM3Dカラーをされたそうです。
しかし結果としてはダメージが悪化し時間の経過とともに明るく退色が進んでしまいました。
さすがに白髪の目立ち具合が限界を超えたために、なるべく髪のことを考えながら染めてもらえる美容室を探していて僕のホームページを見つけられたそうです。
元々は通常のカラーで予約をいただいておりましたが、お悩みを聞いているうちに香草カラーとの相性が良さそうでしたので、ご提案をさせていただきました。
オーガニックカラーで白髪を染める際の注意ポイント
先ほども記載しましたが、アルカリ剤や過酸化水素水など髪に負担をかける成分は使用していないのがオーガニックカラーの特徴です。
ただ、ジアミン染料は配合されています。
そのため何の対策もなしに染めてしまうとジアミンアレルギーを発症してしまう可能性が高くなってしまいます。
オーガニックカラーを使用する際は頭皮へのダメージケアは怠らないように注意しましょう。
頭皮にべったりとつかないように配慮して塗っていくことも必要です。
ちなみに塗った直後から保湿が進みツヤツヤな質感です。
オーガニックカラーで白髪染め後の仕上がり
気になっていた白髪もしっかりと改善されました。
特に気になっていた左側もしっかりと染めってくれています。
何よりツヤ感がすごい!
髪の内部にハーブや漢方の成分で補修をして表面も整えてくれているので手触りやツヤがしっかりと出ています。
よくあるプラス料金のトリートメントはしていません。
お客様自身にも手触りや見た目を確かめていただき、効果を実感していただきました。
喜んでいただけて何よりです。
このために往復1時間以上かけてきてくださっていますからね。
オーガニックで白髪染めをすれば髪に負担をかけずに染められる まとめ
- ジアミンは含んでいるが、髪に負担をかける成分は含んでいないのでダメージ無く染めることができる
- オーガニックカラーは白髪をしっかりと染めることができる
- 取り扱いには注意が必要!ジアミンアレルギーの方は使用できない
オーガニックカラーは万能なカラー剤というわけではありませんが、髪のダメージを気にされている方や明るくなりやすい髪質の方に使用する場合はとても相性のいい薬剤です。
今回は地毛に合わせて白髪染めを希望される方に対する実例でしたが、若い方や明るめに仕上げることも可能です。
詳しくは過去の記事をご参照ください。
上記のようにお悩みの方はぜひ1度ご相談ください。