最近は“ヘアカラーによるかぶれ”というものに一般のお客様方も敏感になってきているように思います。
つい最近もTVなどにも取り上げられており、関心が高まってきています。
実はヘアカラーによるかぶれに悩まれている方は多くいらっしゃり、感覚でいうと6割〜7割くらいの方は過去に何らかの刺激を感じていたと意見をいただいています。
何となく刺激を感じているだけであれば、それほど気にすることはありませんがそれを放っておくと今後症状が悪化してしまい最悪の場合は髪を染めることができなくなってしまう恐れがあります。
今回はこの3点に絞って解説をしていきます。
- そもそもなぜ髪を染めるとかぶれてしまうのか?
- かぶれないヘアカラー剤ってどんなもの?
- 将来アレルギーに発展しないために予防することはできるのか?
少しでも関心を持っていただき、何もない今から対策を始めてもらえると嬉しいです。
目次
白髪染めでかぶれるとは?
かぶれるとは薬品(ここではカラー剤)などに触れて、皮膚に炎症がおこることを言います。
よく染めている間にピリピリ刺激を感じる、痒くなる、肌が赤くなったというのもかぶれによるものです。
これらの症状が悪化していくとヘアカラーアレルギーへと進行していきます。
なぜ白髪染めでかぶれるの?
カラー剤には過酸化水素水・アルカリ剤・ジアミンと3つの刺激性の強い物質が含まれています。
過酸化水素水とアルカリ剤は主に髪を明るくするものです。
この2つが混ざり合うことで急激な化学反応を引き起こし、髪を染めることができます。
もちろん、その際に髪が痛むことは何となく理解されていると思いますが、同時に肌にも負担(刺激)がかかっています。
肌への負担は老化を進行させて長期的に見ると抜け毛・細くなる・密度低下・白髪を増やすなどの症状を引き起こします。
髪のダメージももちろん気にしなければいけませんが、肌へのダメージも見落とされがちですが実は超重要な要素です。
ジアミンは髪を染めるものです。
ジアミン=色と考えてもらえればわかりやすいかと思います。
髪を様々な種類の色に染めることができ、色持ちも優れていることから日本で使用されている9割のカラー剤はこのジアミンが配合されているタイプのものになります。
ただし、このジアミンは毒性が高くアレルギーを引き起こすことでも知られています。
海外の一部の国では使用が禁じられているところもあります。
情報に敏感な方はジアミンが低く設定されている薬剤やジアミンが配合されていないタイプの薬剤に切り替えたりと対策を取られる方も増えてきています。
かぶれないヘアカラー剤とは
かぶれないヘアカラー剤というと次のようなものが挙げられます。
- ノンジアミンカラー
- 天然ヘナ
ノンジアミンカラーは文字通りジアミンの代わりに他の染料(色)で代用したカラー剤のことです。
天然ヘナは植物性のカラー剤のことです。
それぞれ解説していきます。
ノンジアミンカラー
ジアミン染料の代わりに別の染料を用いることでアレルギーの方でも染めることができる薬剤です。
ただしジアミンカラーと比較した場合に色持ち、色の種類、手軽さなどは圧倒的にジアミンカラーの方が優れています。
短期間でカラーを繰り返している方や色に大きなこだわりがない方はノンジアミンカラーでも問題ありませんが、それ以外の方の場合はリスクを負ってでもジアミンカラーをさん託される方が多数です。
またノンジアミンカラーにも種類があり、ジアミン染料は不使用でも過酸化水素水やアルカリ剤を使用しているものも中にはあります。
その場合は刺激を感じる恐れは0ではありません。
現在開発が進んでいる分野なので将来的には改善されてくる部分もありますが、現段階ではメリットの側面にデメリットも併せ持つカラー剤と言えます。
天然ヘナ
ヘナは植物そのものの染料(色)を使用しているカラー剤です。
そのため選べる色は2色、黒髪を明るくすることはできない、時間がかかると制限されることも多くあります。
ただ、メリットもあります。
カラー剤の中では唯一染めながらにダメージケアができ、繰り返すほどに髪がしっかりとしてきます。
また髪や頭皮を本来の素ッピンの状態に保ってくれることから、髪と頭皮の健康を維持する効果もあります。
ヘナは天然のものだけでなく、化学的な染料や中にはジアミン染料を配合しているものもあります。選ばれる際には100%天然のものかを事前に確認するようにしましょう。
すでにヘアカラーによるアレルギーを発症してしまっている方の場合はこのどちらかしか染める方法はありません。
現状や仕上がりのイメージに合わせて選択をされるといいと思います。
まだ症状を発症していない方や軽い症状の方はジアミンカラーと併用することで従来のクオリティーは落とさずに刺激を緩和したり、将来のリスクを大きく下げることができます。
無理に移行してストレスを溜めながら染めるよりも長期的に見て安全に長く染めていける方法を模索されることをオススメします。
白髪染めによるかぶれ・アレルギーの予防をする方法
ヘアカラーによるアレルギーを予防するには大切なのは2点です。
- 年間でジアミンに触れる回数をなるべく少なくする
- 頭皮への接触をなるべく避け、染めた後は薬剤を残さない
この2点に注意して染めていけば、リスクを大きく下げることができます。
年間でジアミンに触れる回数をなるべく少なくする
先ほども少し触れましたが、ノンジアミンカラーやヘナと併用しながら染めていくことがキーポイントです。
毎月染める方であればジアミンカラー→ノンジアミンカラー→ジアミンカラー→ノンジアミンカラー→ジアミンカラー→ノンジアミンカラーと交互に繰り返していけば単純にジアミンに触れる回数を年間で半分にすることができます。
ノンジアミンカラーの部分をヘナに置き換えることも可能です。
または少し特殊にはなりますが、毎回の施術でジアミンの濃度を下げて染めていく方法もあります。
ジアミンカラーは100%の濃度で染めていますが、髪質・髪色・白髪の有無によっても異なりますが40%〜70%の割合まで下げて染める技法もあります。
お店ではこれを『低ジアミンカラー』と呼んでいますが、これでも1回あたりのジアミンへの接触リスクを下げることができ、年間で考えると大きな差となります。
これらはダメージの貯金として考えていて、今ダメージを貯金しておくことで将来健康な髪や頭皮を保ちやすくなると考えています。
頭皮への接触をなるべく避け、染めた後は薬剤を残さない
これは都度の施術で頭皮を守るための取り組みです。
髪の毛に対してはカラー前のケアやトリートメントでのダメージ補修と色々と気を使う方も多いですが、頭皮に対しては同じことをしていますか?
髪同様に頭皮にもケアを怠ってはいけません。
染める前には負担が少なくなるようにケア、染める薬剤も負担がかからないように頭皮向けのトリートメントを配合し、カラー後には頭皮に薬剤が残らないようにケアをする。
その場ではトリートメントのように結果が目に見えないので実施されていないお店が多数ですが、これらをその都度行なっているかいないかで10年、20年の期間で考えた時に大きな差として生まれます。
仮に20歳から染め始めたとして60歳まで染めると考えると40年ですからね。
小さな積み重ねは重要です。
白髪染めでかぶれない為に注意したい3つのこと まとめ
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。
ここまで読んでいただけると多少でも染めることを見直してみようかなと思っていただけたかと思います。
手軽に染めることができる今の時代だからこそ、その副産物として様々な問題が起こっています。
残念ながらアレルギーや過度にかぶれが起こってからでは症状を治すことは今現在はできません。
だからこそ、ひどくなる前に何らかの対策を講じることが大切なんです。
たかがヘアカラー、されどヘアカラーです。
大切な髪、綺麗な髪を維持するにはまずはその土台である頭皮が健康なことが一番重要です。