昨年にノンジアミンカラーの『ル・ポリサージュ』がデミコスメティックより発売されて話題になりました。
僕も発売して間もないときに母で白髪染めの実験をして記事に上げていました。
ありがたいことに多くの方にお読みいただいたようで、ここ最近グッとお問い合わせの件数が増えたのですが・・・。
申し訳ございません!現在は『ル・ポリサージュ』での白髪染めはやめました。
しばらく使用してみた結果と そこから見えてきた特性に関して解説していきます。
目次
『ル・ポリサージュ』で白髪は染まらない
まず、ル・ポリサージュで白髪は染まりません。
薄く色がつく程度は染まると言う方が正しいかもしれません。
これは僕だけの意見ではなくメーカーが正式に公言していることで、白髪を染めるためのカラー剤と言うよりもおしゃれ染め(白髪がない方が使う薬剤)での使用を推奨しています。
ル・ポリサージュでも白髪は染まると噂が流れていたので モデル様での実験(母親)は行なっていたもののメニュー化へは至らずにお客様に使用することはありませんでした。
ル・ポリサージュで白髪が染まると言われている色とは?
あくまでも おしゃれ染めがメインですが、白髪を染めるのに使うとすればこの色味と言われているのが
MラインのM-WB、M-CB、M-HBe こちらの3種類です。
ル・ポリサージュはクリア、ライト、ミドルと3つの明るさに分かれており、Mラインは1番暗い色を指します。
この中でもっとも染まるとオススメされたM-WBを使用して見ましたが、白髪の染まりに関しての感想としてはイマイチでした。
ル・ポリサージュの3つのフリーにも不信感
ル・ポリサージュの1番のキャッチフレーズが3つのフリーではないでしょうか。
『過酸化水素水・アルカリ剤・ジアミン染料と通常のカラーに含まれるダメージ成分や肌に良くない成分は使用していません。
だから髪が痛みません!』
と言うものですが、実際にこれだけでは髪を明るくすることは不可能です。
メーカーでは髪を明るくするにはライトナーを使用することを提言していましたが、ライトナーには過酸化水素水とアルカリ剤が使用されているために3つのフリーは成立しません。
ル・ポリサージュのノンジアミンカラーとしての可能性
さて、ル・ポリサージュは悪いカラー剤なのでしょうか?
実はそんなこともありません。
僕自身、白髪染めとしては導入していませんが おしゃれ染めとしての導入はしております。
ジアミンアレルギーのお客様を染める際には白髪のあるお客様は塩基性カラーを中心に、白髪のないお客様はル・ポリサージュを中心に薬剤を選択するようにしています。
ル・ポリサージュがおしゃれ染めとして優れている点
ル・ポリサージュの発色力・ツヤ感・手触りに関してはとても好感を持っています。
お客様に使用していても それらの点では高い評価をいただいています。
発色力と色の濃さはノンジアミンカラーの中では抜群
塩基性カラーや酸化染料に比べても色の種類や発色力はとても優れています。
特にノンジアミンカラーでは表現しにくいアッシュ系もしっかりと発色してくれます。
ジアミン染料は使用していないので極端に色が持続するわけではありませんが、退色が緩やかに進むので落ちていく過程も楽しむことができます。
ツヤ感や手触り感はグロス染料ならではの効果
グロス染料はデミが特許を取っている新しい染料として注目されています。
このグロス染料の効果により従来のカラー剤よりもダメージが少なく、染めながらにツヤ感や手触り感がアップしてくれます。
ル・ポリサージュに限らずノンジアミンカラーは1つのことしかできないと考えるべき
ル・ポリサージュに限らずにノンジアミンカラーの全ては1つのことしかできないと考えるべきだと言う意見を持っています。
- 塩基性カラーは白髪を染めること
- ライトナーは髪を明るくすること
- ル・ポリサージュは様々な色をダメージ無く染めること
このように1つのカラーには1つの仕事だけができると考えると選択に迷わずに染めていくことができます。
白髪染めにもおしゃれ染めにも使用できると言うよりも、白髪染めにはそれに適したノンジアミンカラー、おしゃれ染めにはそれに適したノンジアミンカラーの選択をすることがベストだと思います。
この考えから僕の場合は白髪染めでの導入はせずに、おしゃれ染めとして白髪のない方への提案として使用しています。
ノンジアミンカラー選びは慎重に
新しいノンジアミンカラーが出ると売り文句にのみ注目してパッと飛びつきやすい業界ですが、その薬剤の得意不得意を見極めることが大切です。
それを見誤って間違った使用をしてしまうと意図した結果が得られないと言うこともあり得ます。
使う側も選ぶ側も そのノンジアミンカラーの特性をしっかりと理解してから使うように心がけましょう。