白髪染めによる かぶれに悩む方は年々増加傾向にあります。
その背景には格安専門店の増加や自宅で染めることの一般化というものがあります。
確かに目先の部分ではメリットがありますが、長期的な目線で見るといい事ばかりではありません。
1度かぶれる症状が出てしまうと それ以降は今までの白髪染めは使用することができなくなります。
その状況になっても染めたい方は かぶれの原因を取り除いた『ノンジアミンカラー』を使用することができますが、
このノンジアミンカラーもお店によってマチマチなので選ぶ際は注意が必要です。
目次
ジアミンアレルギーがあっても美容院なら・・・。
今回ご相談をいただいたお客様は かぶれの症状が始まってから近くの美容院でノンジアミンカラーに切り替えていたそうです。
しかし 明るくすることはできず、白髪も上手く染まらなかったそうです。
ノンジアミンカラーを取り扱う美容院は増えてきましたが染めることはできても理想の仕上がりにならないケースも多々あります。
事前にイメージを伝えて希望通りに仕上がるかを確認されてから来店することをお勧めします。
何とかすべく相談に来ていただいたのが2ヶ月前の話です。
初回来店時
白髪染めで かぶれが始まってからはずっとノンジアミンカラーで染めていたそうです。
約1〜1年半ほどでしょうか。
黒髪の部分は15cmほど伸びており、白髪も同様に染まっていない状態です。
僕からの提案
まずは長期的なプランをご提案しました。
ここまで色の差がはっきりと別れてしまっている場合は1度での補正は難しいです。
無理に1度で補正して仕上がりが中途半端になるよりも今回・次回とプロセスを分けることで
確実に綺麗な仕上がりを作れると判断しました。
1回目で修正すべきは明るさの差です。
まずは黒く伸びきった髪色の修正が必要とお話をさせていただきました。
ここが染まっているか いないかで見た目の仕上がりは大きく変わって来ます。
2回目以降で白髪の補正を行います。
明るさのベースができた後は白髪の補正を行なっていきます。
数回かけて白髪部分に色素を貯めていき抜けにくいベースに仕上げていきます。
数回後には2回に1回のペースではリタッチカラーを挟めるようにすることができるようになります。
初回ご来店時の仕上がり
明るくすることに特化したノンジアミンカラーで根元と毛先の明るさの補正ができました。
白髪部分は薄く色が染まった状態ですが、今回の仕上がりはこれでOKです。
ジアミンアレルギーの反応を起こさずに美容院で白髪を染めていくということ
前回の施術から1ヶ月が経過し、再びご来店をいただきます。
かぶれる方が明るく染める際は刺激を伴う恐れがあります。
染める際は十分な配慮が必要になるので注意してください。
問題がなかったことを確認して、今回は白髪染めに特化した施術を行なっていきます。
2回目ご来店時の様子
明るさに関しては問題がなさそうですが、白髪の色抜けはやはり気になります。
今回は髪の奥まで浸透するタイプのノンジアミンカラーをメインに白髪染めを行なっていきます。
染めるプロセス
根元〜中間までを酸化染料で染める
↓
塩基性染料で根元〜毛先まで染める
今回も新しく黒髪が伸びて来ているので、根元〜中間までを『ヘルバ』というノンジアミンカラーで染めていきます。
ヘルバは明るくすることと白髪を染めることの両方ができ、ノンジアミンカラーで1番色持ちがいい特徴を持っています。
反面、刺激性が強い特性もあります。
その点に配慮して頭皮には一切つけないように塗っていきます。
時間を置いた後に塩基性カラーで根元〜毛先までの全体を塗っていき、
白髪への染まりの安定と全体の色の補正を行なっていきます。
2回目ご来店時の仕上がり
今回のカラーでしっかりと明るさと白髪の2点を改善することができました。
今後1〜2回繰り返し同じプロセスで染めていくことで色持ちが安定し、
1ヶ月半の周期で2回に1回はリタッチカラーが行えるようになっていく予定です。
ジアミンアレルギーに悩む方は美容院でのヘアカラーを検討してみて
ノンジアミンカラーを取り扱う美容院も増えて来ましたが、
今回のお客様が悩まれていたように選択肢が少ないことが現状です。
また知識や経験が少ないことから、無理な施術や誤った施術によって事故が発生していることもお客様から伺います。
ノンジアミンカラーは特性上1種類だけで希望を叶えることはできません。
また、かぶれる原因成分が入っていないだけで通常のカラー剤と同等に危険な薬剤でもあります。
既にかぶれる症状が現れている方の場合は頭皮が非常に敏感な状態です。
症状の悪化によっては今後一切のカラー剤が使用できなくなるケースも大いに考えられます。
その辺りも踏まえた上で、美容院選びは慎重に行いうことをオススメします。