ノンジアミンカラーは1つの薬剤でできることが限られてしまっております。
例えば以下のようなイメージです。
- 明るくすることしかできない
- 白髪を染めることしかできない
通常のカラー剤であれば薬剤を塗っておけばどちらの行程も自動的に行なってくれる作用があります。
しかしノンジアミンカラーではそれができません。
そのため複数のノンジアミンカラーを組み合わせたり、行程を分けて塗ることで明るく染めていかなくてはいけません。
今回の事例ではノンジアミンカラーを使用しながら髪を明るくし同時に白髪を染めていく実例をご紹介していきます。
目次
ノンジアミンカラーで白髪を明るく染めたい
まずは、仕上がりのイメージを共有していきます。
今回のご要望をまとめます。
- 明るく染めていきたい
- 白髪を染めたい
- 髪にハリコシが欲しい
現在の毛先の明るさと根元の明るさの差は下記の画像のような感じです。
毛先部分を特別明るくしていきたいと言う訳ではなく、根元部分が暗く繋がるのは嫌と言うことです。
毛先部分はおよそ10トーンほどの明るさがあります。
今回は根元部分を10トーンに明るくしていきながら白髪もしっかり染めていくと言うのが今回の課題です。
髪を明るく染める際に必要な成分とその注意点
髪を明るくする際には『脱色剤』と言う成分が必須になります。
効果は字のままですが、髪の色を抜き明るくする効果があります。
この脱色剤はノンジアミンカラーには含まれていないことが多いです。
通常のカラー剤にはほぼ含まれて入る成分です。
『脱色剤』にジアミンは含まれていないのでジアミンアレルギーの方でも使用することは問題はありません。
しかし、頭皮に刺激を与える危険性はあります。
カラー剤を塗った直後にピリピリと感じる刺激は脱色剤の影響によるものです。
脱色剤による刺激の有無を調べるパッチテストもあるので、不安な方は実施をオススメします。
今回はこの脱色剤とノンジアミンカラーを組み合わせて、白髪を明るく染めていきます。
染める前の状態
お客様の染める前の状態を確認していきます。
お客様自身は白髪を気にされておりましたが、実際は全体の5%〜10%ほどしかありません。
よーく見るとちらほらと見える程度です。
毛先部分は癖の影響もあり、パサつきと広がりを気にされております。
ノンジアミンカラーで明るく染める為のアプローチ方法
ノンジアミンカラーで染める前にアプローチ方法を確認していきましょう。
今回は根元と毛先で全く薬剤を変えて染めていきます。
根元部分への対応
根元部分は2種のノンジアミンカラーと脱色剤を合わせて使用していきます。
基本的には脱色剤は使用せずに1種類のノンジアミンカラーのみで染めていくことが基本です。
しかし、今回のように明るさを求められるケースでは対応ができません。
なので今回は2種類のノンジアミンカラーをベースに脱色剤を加えることで明るさと染まりの良さを実現していきます。
毛先部分への対応
毛先部分はハリコシを出して髪密度を高めていくことを目的に施術していきます。
そのために毛先部分には『ハナヘナのハーブトリートメント』を使用していきます。
髪質、髪の現状に合わせてバランスよく調節したお客様オリジナルのヘナをベースにしたハーブトリートメントです。
- 髪の密度をあげてハリコシ、ボリュームアップ
- 内部補充を行い癖の緩和
- キューティクルの引き締め効果でダメージの予防
このような効果が期待できます。
簡単に言うと髪を強くするトリートメントとお考えください。
根元部分のカラーと同時に毛先はハーブトリートメントの効果で補修を同時進行で行なっていきます。
ノンジアミンカラーの塗り終わりの状態
塗布が終わった状態です。
今回は脱色剤を使用しており、刺激を感じてしまう可能性が0ではありません。
ですので頭皮にはべったりとつかないように注意して塗っています。
このように塗っていくことで長い目で見た頭皮へのダメージも確実に減らすことができます。
全てのカラー施術においてそうですが、べったりと頭皮が見えなくなるほど塗ることはオススメできません。
このような塗り方をして入ると、しっかりと染まるの?とお客様から聞かれることもありますが、染まります。
結果は仕上がりを楽しみにしていてください。
毛先部分もハーブトリートメントをたっぷりと塗ってあります。
この状態で25分時間をおいていきます。
今回のケースでは脱色剤を用いてるために、温めの工程は行いません。
ノンジアミンカラーで明るく染め上げた仕上がり
時間が経過し、明るくなったことと白髪が染まったことを確認してシャンプーに移ります。
丁寧に洗い上げ、髪の毛の中に残ってしまう悪い成分を全て除去していきます。
悪い成分が残っていると、髪にも頭皮にもよくないので大切な工程です。
さて、仕上がりです。
根元部分はやや開けて塗っていますが、しっかりと染まってくれていますね。
お客様にもかき上げながら確認してもらいましたが、OKをいただきました。
ハーブトリートメントを施した毛先部分は施術前に比べて広がりが収まったことがわかります。
見比べて見ると一目瞭然です。
水分量と栄養分のバランスを整えてあげることで膨らみを抑えることができます。
また、ただ入れ込むだけでなく表面もキューティクルの強化を行なっているので髪自体もしっかりとした感じを実感していただけます。
仕上がりもさらっと軽いので、変に癖を取りすぎたりもしないので癖を生かしたスタイルにしたい方にもオススメです。
丁寧な施術の結果?もあってか刺激なども感じずに、お時間を過ごしていただくことができました。
これからはストレスなくヘアカラーを続けていくことができますね。
同じような症状でお悩みのお客様は是非ご相談ください!
無理をしたままヘアカラーを続けていくことは危険です。
今後どのようにヘアカラーと付き合って行けばいいのかを一緒に考えていきましょう。